税理士の年収はどれくらい?会社規模・役職・外資・日系別に徹底解説!
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税理士と聞くと「安定して稼げる資格職」というイメージを持つ人が多いのではないでしょうか。
確かに税理士は国家資格の中でも独立性が高く、また経済状況に左右されにくい仕事であり、景気が良くても悪くても企業は決算や申告を行わなければならないことから、税理士の専門知識は常に必要とされています。
しかし、同じ税理士といっても勤務する事務所の規模、役職、担当業務、さらには外資系か日系か、独立しているかによって年収には数倍の差が生まれます。
では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。
本記事では、税理士の平均年収から、会社規模別・役職別・外資・日系別の実態、そして年収アップの具体的な方法までをできる限り詳しく解説します。
読者の皆様が税理士としてのキャリアをより深く理解し、さらなる高みを目指すための力強い一歩を踏み出すための一助となることを念頭に記事を執筆しましたので、ぜひ最後までご覧ください。
・税理士全体の平均年収について
・会社規模による年収の違い
・役職による年収の目安について
・外資系と日系の違いによる年収差について
・年収を上げるための4つのポイント
税理士全体の平均年収について
まず初めに、税理士全体の平均年収について解説します。
厚生労働省が運営する公式サイト「職業情報提供サイト(job tag)」によりますと、税理士の平均年収は約856.3万円です(平均年齢43.1歳、月額34.7万円)。
このデータは、厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」をもとに集計された公的統計であり、職業別に算出された最新の数値となります。
税理士は、会計・税務の専門家として企業や個人の資産管理を支える国家資格ですので、税理士は日本の全職種平均年収と比べると、その年収水準は非常に高いです。国家資格の中でも上位に位置する報酬レベルといえるでしょう。
なお、この856.3万円という数字は、勤務税理士と独立税理士の双方を含む平均値となります。そのため、勤務先の規模や地域、担当分野などによって実際の所得には幅があります。
また、平均年齢43.1歳という数値からわかるように、税理士は長期的にキャリアを積み上げていくほど収入が伸びやすい職業です。資格取得後すぐに高収入を得るというよりも、経験・実績・信頼の蓄積が収入に直結する実力型の職種といえます。
会社規模による年収の違い
次は、会社規模による年収の違いについて解説します。
税理士が勤務する職場には、個人経営の小規模事務所から数100人規模の大手税理士法人まで様々なタイプがあり、この会社規模による違いも年収差の大きな要因の1つになります。
今回は、小規模事務所、中堅税理士法人、大手税理士法人の3つに分けて解説します。
①小規模事務所(従業員10名未満)
1点目は、小規模事務所(従業員10名未満)です。
小規模事務所では、年収400〜600万円程度が一般的です。給与は所長税理士の裁量で決まるケースが多く、賞与も業績次第であることが多いです。
クライアントは中小企業や個人事業主が中心で、業務は記帳代行や申告書作成など、実務全般を幅広くこなすことになります。
一方で、こうした事務所では経営全体を学べる機会が多く、将来的に独立を考えている人にとっては非常に実践的な環境です。働き方の柔軟性が高い点も特徴で、在宅勤務やフレックス制度を導入している事務所も増えています。
②中堅税理士法人(10〜100名程度)
2点目は、中堅税理士法人(10〜100名程度)です。
中堅税理士法人では、年収600〜850万円ほどが目安です。
担当クライアントは中堅企業や資産家、医療法人などが多く、相続税や法人再編などの専門分野を扱うチャンスが増えます。
また、職階制度が整っており、スタッフ → シニア → マネージャーと昇進するにつれて報酬が上がる点も特徴です。
マネージャークラスでは年収900万円近くに達することもあり、独立せずとも高収入を得られるキャリアパスを構築することができます。
③大手税理士法人(PwC、Deloitte、KPMG、EYなど)
3点目は、大手税理士法人(PwC、Deloitte、KPMG、EYなど)です。
大手税理士法人に所属する場合、年収は900万円〜1500万円が目安です。国際税務、移転価格、海外子会社対応などグローバル案件が中心となり、英語力やIFRSなどの知識が求められることが多いです。
また、職階ごとに報酬が明確に定められており、スタッフでも年収500〜600万円、マネージャーで900万円前後、シニアマネージャーで1100万円以上、パートナーになると2000万円超という水準です。
但し、残業は他の税理士法人より多い傾向があり、成果主義傾向もより強いので、長時間労働に耐えられる体力と結果を出すスピード感が求められます。
役職による年収の目安について
次は、役職による年収の目安について解説します。
同じ事務所に勤めていても、役職が上がるごとに年収は上昇します。一般的な税理士法人のキャリアステップを追うと、次のような流れになります。
まず、入社後数年のスタッフクラスでは400〜550万円ほどです。仕訳や申告書の作成、月次処理などの基本業務が中心となります。
次の段階であるシニアスタッフになると、顧客対応や後輩の指導を任され、550〜700万円程度になります。ここからさらにマネージャー職になると700〜900万円ほどに上がります。このレベルになると、担当チームを率いたり、クライアントへの改善提案を行うなど、経営的な視点も求められます。
より上位のシニアマネージャーでは900〜1100万円程度が相場で、経営層やパートナー層との折衝も担当します。そして、最上位のパートナー(法人の共同経営者)や独立した所長税理士クラスになると、年収は1200万円〜3000万円以上に達することもあります。
特に独立開業の場合は、顧問契約の件数と単価の掛け算で収入が決まります。
例えば、顧問料が月3万円のクライアントを50社担当すれば、それだけで年収1500万円以上になることもあり、経費やスタッフの人件費を差し引いても、十分に高収入が狙える職業です。
外資系と日系の違いによる年収差について
次は、外資系と日系の違いによる年収差について解説します。
税理士法人にも「外資系」と「日系」があり、ここにも大きな年収差があります。
外資系(PwC、KPMG、EY、Deloitteなど)の税理士法人では、平均年収は800〜1500万円ほどです。完全な成果主義で、英語力と専門性が報酬に直結します。
特に、国際税務や移転価格税制など、グローバル案件を担当する機会が多く、昇進スピードも早い反面、求められるレベルも高く、離職率も高めです。
一方で、日系の中堅・地場税理士法人は、年収500〜900万円ほどが中心です。顧客は地域の中小企業が多く、経営者と長期的な関係を築くスタイルが多くなります。
また、外資系と比べるとワークライフバランスを取りやすいことから、安定志向の方に向いており、バランスよく年収を上げたい方にお勧めです。
年収を上げるための4つのポイント
最後に、年収を上げるための4つのポイントを解説します。
税理士として収入を上げたいなら、資格を取るだけでは不十分です。以下の4つのポイントを意識することで、キャリアの幅と報酬水準を大きく広げることができます。
1つ目は、専門分野を特化することです。税理士の仕事は幅広いですが、相続税・国際税務・医療法人支援・組織再編などの高付加価値分野に特化することで単価を上げることができます。
例えば、相続案件1件で30万〜100万円ほどの報酬になることもあり、特化分野を持つことは、他の税理士との差別化にもなります。
2つ目は、英語力やITスキルの習得です。英語でのクライアント対応ができる税理士はまだ少なく、外資系案件では+100万円〜200万円の年収差がつくことがあります。
また、クラウド会計の導入支援スキルも中小企業に求められており、テクノロジーを扱える税理士は今後ますます重宝されるでしょう。
3つ目は、営業力・人脈力の強化です。顧問契約の9割は紹介経由といわれており、顧客との信頼関係を築き、提案力を高めることで契約数や単価を増やすことができます。SNS発信やセミナー登壇を通じて、自分を「見つけてもらう努力」をすることも有効です。
4つ目は、他の資格との掛け合わせです。昨今、税理士に加えて、公認会計士・中小企業診断士・社会保険労務士などを取得する方が増えています。複数資格を持つことで、経営コンサルティング、M&A支援、労務・人事制度設計などのような税務以外の分野でも収益を上げることが可能になります。
税理士で理想の年収を実現しよう
ここまで読んでみていかがでしたでしょうか。
税理士の年収は、会社規模・役職・専門分野によって大きく変わりますが、おおむね500〜1500万円の範囲が中心です。また、独立すれば2000万円、成功すれば3000万円を超えることもあるというのが現状です。
資格を取ってからがスタートであり、「どんな専門性を磨き、どんな顧客と関わるか」で年収の伸び方が決まります。英語力やITスキル、コンサルティング能力など、税務の枠を超えたスキルを掛け合わせることで、年収は確実に上がっていくでしょう。
税理士という資格は、努力の積み重ねが確実に実を結ぶ数少ない専門職の1つです。
日々の経験の中で磨いた知識と信頼が、必ずあなたのキャリアを豊かにしてくれるはずです。読者の皆さまの今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
最後までお読みいただきありがとうございました。