採用後に活躍する人・しない人の違い―― CFOとして見てきた“再現性のある採用”の条件
- 採用企業向け
1. はじめに:採用の成否は「入社後」に決まる
これまでAmazonやClarksなど、外資企業を中心にCFOとして多くの組織運営と人材マネジメントに携わってきました。その中で記憶に残るのは、「採用の成功は入社時点ではなく、入社“後”に決まる」ということです。
どんなに優れた職歴、学歴、資格を持っていても、入社後に期待通りの成果を出せない人は少なくありません。
一方で、多少、職歴、学歴、資格に不安があっても、着実に成果を積み上げていく人もいる。一体この違いは、どこから来るのでしょうか?
2. 活躍しない人は「業務の構造」を理解していない
入社時の期待通りに活躍できなかった方は、日常業務や実績を出すことに追われ、組織の強みを伸ばしたり、弱みを補強したりすることを放置してしまうケースを多く目にしました。
会計・経理の仕事は、売掛金、買掛金、主計等の基礎の部分に、管理会計、システム、税務、投資家対応等のような応用の部分をピラミッドのように積み重ねてゆく一面があります。
現実的には、組織のピラミッドは完全な場合は少なく、必ずどこかに強み、弱みがあります。特に弱みを放置すると重大な問題が起こった場合、解決には時間や人的労力がかかる場合が多く、往々にして手遅れとなってしまいます。
3. 活躍する人は「構造を理解している人」
反対に、入社後に活躍する人に共通しているのは、業務のピラミッドの強み、弱みを理解し、特に弱みの補強について、人的補強、システム改修、期間等のビジョンを描き、実行できる方です。
特に、会計プロセス、システム、ERPシステム等の基礎の実務を経験した方は、実質的な改善策を見出しやすいと言えるでしょう。その結果、経理部門の中でも他者をリードしやすくなり、上位職への昇格も早い傾向にあります。
つまり、業務のピラミッド構造を理解し、実質的な改善ができ、組織を高めることができる人ほど、長期的に組織で成果を上げていけるのです。
上図は、経理・会計業務を基礎から応用へと段階的に積み上げていく様子を図で示したものです。
ピラミッドの土台には、売掛金・買掛金・主計などの財務会計と日常の実務が位置します。その上に税務、連結、システムなどの応用分野が積み重なり、財務会計と管理会計の双方をCFOが統括します。
また、各階層はスタッフからシニア、マネージャー、ディレクター、CFOといった職位に対応しています。基礎となる実務経験を積み、業務全体の構造的な強み・弱みを理解して改善策を実行できる人材ほど、他者をリードし、上位職への昇格が早いという、再現性のあるキャリアパスの条件も表しています。
4. 面接で見るべきは「構造理解」と「学習意欲」
採用面接では、職務経歴や実績だけでなく、以上の点について質問、確認する事も有益と考えます。
「現職の組織の強み、弱みはなんですか?」
「それに対してあなたはどのようなアクションをとりましたか?」
「成功例と失敗例を教えてください」
「他部署と連携する際、どのように課題を整理しましたか」
「新しいシステム導入時に、どの観点からボトルネックを見つけましたか」
これらに具体的かつ論理的に答えられる人は、基礎を理解している証拠です。また、過去にどのように自ら学びを深めたかを尋ねることで、学習意欲や主体性も把握できます。
採用時にこの「構造理解」と「学習姿勢」を見抜くことができれば、活躍人材を採用できる確率は格段に上がります。
5. おわりに:“再現性のある採用”に必要な視点
採用の本質は、短期的なマッチングではなく、「入社後に再現性高く成果を出せる人材」を見極めることにあります。
そのためには、経歴よりも基礎理解と成長意欲を重視すること。そして、採用後も継続的に“構造を学ぶ文化”を社内に根づかせることが重要です。
企業の業績を支えるのは、日々の業務を正確に積み上げる現場の力です。
その力を最大化するためにも、採用の段階から「構造を理解し、学び続ける人」を見極める視点を持っていただきたいと思います。
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