• 採用企業向け
2026/01/08

現代のビジネス環境は、かつてないほどの速さで変化し、複雑さを増しています。
AIやテクノロジーの進化が会計業務の多くを自動化する一方で、グローバルなM&A、複雑な財務報告、厳格なガバナンスへの対応といった、人間にしかできない高度な課題が急増しています。
こうした時代において、企業が成長を続けるために不可欠なのが、単なる過去の数字をまとめるだけでなく、未来を予測し、経営戦略を策定できる人材です。

本記事では、米国公認会計士(USCPA)が、幅広い業界・会社で活躍の場を広げている背景を紐解き、彼らが貴社にもたらす具体的な価値と、その採用方法について解説します。

JCPAとUSCPA、その本質的な違い

日本の会計に特化したJCPAに対し、USCPAは国際的なビジネス環境での活躍を前提としています。
この違いが、事業会社での役割を大きく隔てます。
具体的な違いは以下の通りです。

JCPA(日本の公認会計士):日本の会計基準や商慣習、税法に深く精通し、国内での会計監査や税務に強みを発揮します。

USCPA(米国公認会計士):米国会計基準(USGAAP)といったグローバルな会計基準を学び、ビジネス法やIT、税務、管理会計等に関する幅広い知識も習得します。
これにより、幅広い業界・会社において、経理・財務部門だけでなく、経営企画や海外事業部門でもその知識を活かせる土壌が形成されています。

会計専門性の深さに関してはJCPAに軍配が上がりますが、幅広い分野の知識やグローバル対応力等ではUSCPAが優勢であり、会計専門性だけでなくより多様な視野が必要な事業会社ではUSCPAの活躍できるフィールドは非常に多いです。

USCPAが事業会社で発揮する「3つのスキル」

USCPAは、単なる経理・財務の専門家ではありません。彼らは、貴社の経営課題を解決する力、事業を成長させる力、そしてリスクを管理するスキルを備えています。

1.グローバルビジネスを推進する専門性

国際的な会計基準(IFRSやUS GAAP)の専門知識と、ビジネスシーンで通用する英語力を兼ね備えるUSCPAは、国際的なビジネスシーンにおいて極めて高い即戦力となります。

海外M&Aにおける財務デューデリジェンス(DD)や、買収後の事業統合(PMI)において、国際的な会計基準に基づいた正確な評価とスムーズなプロセス管理をリードできます。
また、海外子会社の複雑な経営管理や資金調達、グローバル監査法人との円滑なコミュニケーションが可能です。

これにより、企業が海外市場で迅速かつ適切にリスクを管理し、事業を拡大するための重要な推進力となります。

2.経営戦略に直結する会計思考力

USCPAホルダーは、財務会計、管理会計、経済学、ビジネス法といった広範な知識を基に、財務諸表を単なる過去の記録ではなく、未来の経営戦略を策定するための「戦略的ツール」として活用します。

彼らは、数字の裏にあるビジネスロジックを深く理解し、経営層に対し、新規事業の収益性分析、投資判断のシミュレーション、コスト構造の改善提案などをロジカルに行い、データに基づいた意思決定を支援します。

これにより、経理・財務部門を単なるコストセンターではなく、事業部門と連携して利益を生み出すよう、経理・財務部門を変革する能力を持っています。
彼らの視点は常に「いかにして企業価値を高めるか」に置かれています。

3.内部統制とガバナンスの強化力

USCPAは、米国のSOX法(企業改革法)等、厳格な国際法規制に関する深い知識を背景に、企業のリスクマネジメント体制をグローバル視点で構築・強化する資質があります。

内部統制システム(J-SOX対応を含む)の設計、運用、評価を主導し、不正や情報漏洩といった経営リスクを未然に防ぎます。

特に海外拠点が点在する企業では、グローバルレベルでの統一されたガバナンス体制の構築に不可欠です。
強固な内部統制は、市場や投資家に対する透明性と信頼性を高めることにつながり、企業の持続的な成長を支える揺るぎない土台となります。

【筆者実感】USCPAホルダーが語るリアルな貢献

筆者は、事業会社の経理部門で働くUSCPAホルダーです。
同僚にもUSCPAホルダーは数多くおり、皆圧倒的な成果を出しています。

例えば、私の元上司のUSCPAホルダーは、堪能な英語力とUSCPA学習や監査法人での経験で培った会計知識・実務能力を活かして、海外子会社との複雑な会計処理の整理やPMI案件等をこなしていました。
筆者自身のケースでは、USCPAとしての会計知識を活かし、USGAAPやIFRSにおける新基準の導入プロジェクトや、海外子会社を巻き込んでの連結会計システムのリプレイスプロジェクト等、幅広く貢献している自負があります。

特に、海外部門との議論では、USCPAの知識と英語力が共通言語となり、事業のリスクを事前に把握し、経営陣の意思決定をスピードアップさせている実感があります。USCPAは、外部からの監査対応のためではなく、自社の事業をグローバルに「攻める」ための経営武器であると、日々、強く実感しています。
経理部門が受け身の組織から、攻めの戦略を支えるパートナーへと変わる瞬間を牽引できることが事業会社で働くUSCPAホルダーの最大の価値であると考えます。

USCPA採用における課題

USCPAホルダーは、事業会社にとって非常に価値のある人材ですが、その採用は容易ではありません。
以下に示す3つの課題が存在します。

1.採用母集団の少なさ

日本国内のUSCPAホルダーは希少であり、絶対的な数が限られています。

また、彼らの多くは一般的な転職サイトに登録して転職活動を行うことは必ずしも多くありません。
ヘッドハンティングや、同じ資格を持つ人からの紹介(リファラル)など、特定のネットワークを通じて転職するケースが多いため、求人広告を出すだけでは優秀な人材にリーチすることが難しいのが現状です。

2.報酬水準のミスマッチ

USCPAホルダーは、高度な専門知識と実務経験を持つため、一般的な経理・財務担当者とは異なる報酬水準を求める傾向があります。

企業側が提示する給与水準が市場価値と合致しない場合、候補者との交渉が難航し、採用に至らないケースが多く見られます。

彼らが持つスキルが、企業の成長にどれだけ貢献するかを正当に評価し、適切な報酬を提示することが重要です。

3.求めるスキル・役割の明確化の難しさ

USCPAホルダーが持つ「グローバルな会計知識」や「戦略的思考」といった抽象的なスキルを具体的な業務内容や役割に落とし込むことが、採用担当者にとって難しい場合があります。

結果として、求人票の要件が曖昧になり、入社後のミスマッチにつながるリスクも高まります。
USCPAが自社でどのような課題を解決できるかを事前に明確に言語化し、候補者に伝えることが不可欠です。

採用面接での優秀なUSCPAの見極め方

USCPAが事業会社で活躍できるかを見極めるには、「遵守志向」ではなく「問題解決志向」と「経営視点」を持っているかを具体的な質問で測ることが重要です。
採用面接時に以下のような質問をすることで資質があるかどうかを測ることができます。

 

質問1(経営視点への転換):
Q:「USCPAとしての専門性を活かし、経理部門を単なるコストセンターではなく、どのように変えていきたいと考えていますか?」

回答の評価ポイント:過去の会計処理の話ではなく、未来の組織変革や価値創造について具体的なビジョンを語れるか。
また、ただ単に経理処理をこなすのではなく、課題意識をもって積極的に業務に取り組むことができるか。

 

質問2(部門間コミュニケーション能力):
Q: 「現場部門(営業、開発など)と対立した際、会計の専門家としてどのように関係者を巻き込み、相手を動かしましたか?」

回答の評価ポイント:会計を知らない人の立場に寄り添い内容をかみ砕き、事業部門の論理を理解した上で協調して目標達成に導くことができるか。
コミュニケーションにおける柔軟性とリーダーシップを見極める。

 

質問3(変化への適応力とテクノロジーへの理解)
Q:「当社は事業の成長に伴いITシステムや業務フローが頻繁に変わります。新しいシステムや未経験の業務に対し、どのように学習し、業務を標準化していきますか?」

回答の評価ポイント:受け身ではなく、変化を機会と捉えているか。
特にRPA、データ分析ツール、最新のERPシステム等、テクノロジーを活用して業務を効率化する視点を持っているか。

 

質問4(当事者意識とコミットメント)
Q:「USCPAとして、あなたが最も強くコミットしたい成果は何ですか?また、その成果を出すために、どのような意識改革が必要だと考えていますか?」

回答の評価ポイント:「期日通りに決算を終える」といった守りの目標だけではなく、「M&A後のPMIを成功させる」、「資金調達を実現する」といった事業成果へのコミットメントがあ

AB Careerの提供価値

AB Career Associatesは、国際資格スクール「アビタス」を母体とし、会計・財務・監査領域のエキスパート人材に特化した紹介サービスです。

最大の強みは、USCPA(米国公認会計士)やCIA(公認内部監査人)などの難関国際資格の学習者・合格者を中心とした、希少性の高い実務経験者データベースを保有している点です。
登録者の過半数がTOEIC 800点以上のグローバル人材であり、20〜40代の即戦力・マネジメント層が豊富です。

専門領域に精通したアドバイザーが、貴社の採用ニーズを深く理解し、スキル見極めから定着まで見据えた質の高いマッチングを実現します。
また、求人掲載費用や入社に至らない場合の費用はかからない成功報酬型を採用しており、企業のリスクを抑えた効率的な採用活動を支援します。

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この記事の筆者
山戸 郁磨 氏
株式会社リクルートホールディングス, チームリーダー
山戸 郁磨 氏
大阪大学卒業後、キヤノン株式会社に入社。連結経理部において、連結決算実務および海外子会社の管理業務を担当する。2019年より株式会社リクルートホールディングスに入社。経理統括部において、持株会社の単体決算統括および連結決算業務に従事する。加えて、会計システムのリプレイスや連結決算プロセスの業務改善、IFRS新基準導入プロジェクトなどの重要案件にも参画し、制度会計実務と会計システムの導入・改善の両面において幅広く関与。米国公認会計士(USCPA)資格保有。