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2022/06/23

USCPAを学習している方・合格された方の中には、監査法人への転職を考えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。今回のコラムでは、改めて監査法人へ転職する意味を考え直してみたいと思います。なお、前提としては事業会社から監査法人へ転職するケースを想定しております。
また、2022年7月以降の採用見通しについも、コラム後半でお伝えいたします。

監査法人に転職する意味、メリット

転職する意味として最初に挙げられるのが、専門性をもったキャリア構築ができる・専門性を磨ける点です。事業会社の中には、部署異動や転勤があり、ジェネラリスト育成をベースとした組織もまだ多いかと思います。自身の武器となる専門性・スペシャリティを培い、自律的にキャリア構築したい方には監査法人への転職がフィットします。

また、学習・取得したUSCPAをフル活用できることもポイントです。「活用」には2つの側面があり、獲得した知識を実務で活用することと、取得した資格を評価されることがあります。後者について、資格を持っていることでクライアントから一定の信頼を得られる、というお話はよく伺います。

注意ポイントとしては、上記のようなメリットはあるものの、監査法人への転職が必ずしも正解ではない、というのも大事な観点です。将来希望するキャリアや、そもそも学習開始時にどのような考えだったのか、実際に学習を進めて感じたもの、等を振りかえり決めるのが大切です。転職成功の可否に影響する点でもあります。

監査法人で得られる専門性とは

では、監査法人への転職で得られる「専門性」とはどのようなものなのでしょうか。
前提として、まず監査法人の基本的な組織構成をお伝えすると、監査部門とアドバイザリー部門に大きく分かれています(実際は様々な部門がありますが、概要をお伝えします)。各部門の主な業務内容は下記となります。

  • 監査部門:財務諸表監査(日本基準、海外基準)、内部統制監査、その他証明業務
  • アドバイザリー部門:IFRSなどの会計基準に関するアドバイザリー、経理業務プロセス改善、M&Aなどに関する会計アドバイス・PMI支援など

なお、アドバイザリー部門に所属しながら監査業務に携われる法人も増えてきています。「アドバイザリーに関心があるが、CPAを取得したので監査にも携わりたい」という方は、そういった部門を選ぶと良いでしょう。

上記業務を、(1社だけではなく)幅広いクライアントへサービス提供することで、会計の専門性を磨くことができます。また国内外の各プロフェッショナルとの協業や、グローバルネットワークの活用を通じて、ファーム内の知見を吸収できる環境なのです。

不安も多い監査法人への転職

メリットもある一方、事業会社から監査法人への転職を考えた時に様々な不安も同時に感じることと思います。

まず、入社後に自分が監査法人でやっていけるか・ついていけるか、という不安ですが、監査法人はいわゆる「UP or OUT」の文化ではありません。入社後の教育研修やフォローアップにも法人全体で注力しています(入所後にメンターやカウンセラーが、担当として個別につくことも多くあります)。もちろん、プロフェッショナルファームの一員として能動的・自発的な業務遂行や知識習得は求められますが、きちんとサポートが得られる環境でもあります。

また、激務なイメージもあるかと思いますが、働き方改革とリモートワークの定着により、監査法人のワークスタイルもここ数年でかなり変わってきました。フレックス活用や時短勤務のケースも多くなり、また余談ですが、一部の法人では兼業も認められています。

今後の採用見通し

さて、ここからは今後の監査法人の採用見通しをお伝えします。前提として、監査法人の採用は、期初(7月)のタイミングで新規ポジションや採用計画が決まり、上期(7月~12月)にドライブをかけて採用する傾向が強いです。

2022年7月期については、特にアドバイザリー部門で積極的に採用される見込みで、ある法人の事業部では100名程度を来期採用目標に掲げています。またアドバイザリー部門では、年齢と経験のバランスによってはCPA科目合格者や学習者も採用しています。
なお、監査部門も引き続き採用を継続していますが、こちらは全科目合格がほぼ必須です。

科目合格段階での転職のメリット・デメリット

アドバイザリー部門は、科目合格段階で入社することも可能ですが「科目合格段階で入社すると年収提示が低いのでは?」「入社後、勉強時間の確保が難しいのでは?」という不安を抱く方もいらっしゃることと思います。

アドバイザリー部門へ入社する場合、年収提示が全科目合格者と変わらないケースも多くあります。資格が必須ではないため、ご経験により年収や職位が変わってくることが多いためです。

また、科目合格段階で転職する一番のメリットは、採用タイミングを逃さないことにあります。監査法人はタイミングにより採用ラインが上下するため、時期を逃さないということが一番有効とも言えます。勉強時間の確保との兼ね合いは悩ましいところですが、内定~入社までの時期に学習を進め、入社前に全科目合格を果たす方もいらっしゃいますので、合格科目が2~3科目程度の方にはお勧めです。

転職活動の進め方

ここまで監査法人への転職や採用状況についてお伝えしてきましたが、実際に転職活動を進める際、大切なのは下記2つです。

  • 自身のキャリアについて棚卸し内省すること
  • 応募先について知ること

この2つの接点を見つけることが、転職成功に向けたポイントです。応募先(具体的な法人やポジション)の特徴や調べ方は、個別にキャリアアドバイザーより面談にてお伝えさせて頂きます。

なお、転職活動のスケジュール感としては、応募~内定までで1か月~1か月半程度かかります(応募ポジションにより前後する可能性があります)。また内定後、入社までの間が1か月半~2か月半程度です。

まとめ

事業会社から監査法人への転職についてまとめると、

  1. 転職の大きな意味・メリットは、自身の武器となる専門性を磨き、自律的なキャリア構築ができること
  2. 監査法人は「UP or OUT」の文化ではない、入社後フォローアップや働き方改革も進んできている
  3. 2022年7月~12月は積極的な採用が見込まれる(特にアドバイザリー部門)

となります。この度は当コラムをお読み頂き、ありがとうございました。
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