PwC: 会計未経験だからこそ、基礎を固める監査へ
- USCPA全科目合格
- 監査法人
- 転職者インタビュー
※ご経歴・入社年数はインタビュー時のものです。
金原さんは、PwCあらた有限責任監査法人の事業会社向け会計監査職に転職されました。転職活動を始めた時は30代半ば。会計未経験からの転職としては年齢面の焦りもありましたが、不安に負けることなく見事内定を勝ち取り、同法人で活躍されています。金原さんにPwCあらた有限責任監査法人の魅力と、監査業務のやりがいを語ってもらいました。
誰でもできる仕事のやり方ではなく、専門性で勝負したい
監査法人に転職される前について教えてください。
Webサービス業界を中心とした3社で計10年近く営業として勤務していました。そのため監査・経理といった会計業務は未経験です。営業時代はテレフォンアポイントによる顧客発掘・新規営業など、足を使ってお客さまに会いに行っていました。自分の担当顧客が付いてからは、客先に何度も足を運び、Webやシステムの悩みを聞き、改善策の提案をして仕事を取っていました。
USCPA(米国公認会計士)を取得しようと思ったきっかけは。
プロフェッショナルとしてのスキル・専門性を身に付けたかったことが一番の理由です。「仕事を取る」「顧客満足度を上げる」という営業ミッションに対して、当時の自分は運動量でカバーしていました。
足しげく顧客訪問したり、たくさん調べ物をしてきめ細かなフォローを心掛けたり、時には話術も利用して。そのようなことぐらいしかできませんでした。誰でもできる仕事のやり方ではなく、スキル・専門性で仕事ができるようになりたいと思い、USCPA取得を決意しました。
会計未経験だからこそ、基礎を固める監査へ
どうして転職活動をしようと思ったのですか。
全科目合格後、学んだことを活かすためには実践が必要不可欠だと感じました。経験値を上げ、一番スキルを磨くことができる環境は監査法人だと思い、監査法人一本で活動しました。
会計監査とアドバイザリーで悩みましたが、USCPA学習で得た知識を使えること、日本の会計基準を含めた会計知識が一番身に付くことに重きを置き、会計監査を希望しました。
アドバイザリー業務でも、たくさんのことが学べると思います。ただ会計未経験だった私は、基礎をきちんと固めてから業務領域を広げた方が良いのではないかと考えました。
PwCあらた有限責任監査法人に入所を決めた理由
PwCあらた有限責任監査法人に決めた理由は3つあります。
1つ目はUSCPAの人員が多く、業務内容・評価・待遇面において公認会計士とUSCPAの間に差がないと感じたからです。現在携わっている現場は8名程の規模ですが、うち2名はUSCPAです。ライセンス申請方法等で意見を交換したり、お互いにアビタス受講生だったりと身近な話題で盛り上がることもあります。
2つ目は、自分の頑張り次第で、例えば2段階アップといったプロモーションということも不可能ではないこと、そして3つ目は、手を挙げれば自分のやりたい仕事に挑戦できることです。
特に3つ目はPwCあらた有限責任監査法人の大きな魅力だと思います。私自身、自分がやりたいことに早い段階で挑戦させてもらえました。もちろん自分から手を挙げた分、その責任に対し評価は付いてきます。チャレンジングな仕事で成果を出した時、それだけ自身の頑張りに正当な評価がもらえるところはやりがいにもつながります。
評価制度もしっかりとしており、クライアントごとに統括するマネージャー・パートナーが評価を行います。通常、複数クライアントの案件にアサインされるため、それぞれの評価を集めて最終的な評価が出されます。総合的に自身のパフォーマンスを見てもらい評価が決まる点も、納得感があって良いです。
入所してからは、一緒に働く仲間のマインドも魅力の一つだと感じています。一言でいえば「雑草魂」を持っていること。4大監査法人(BIG4)の中で「自分達は上に噛みついていこうぜ!」という野心を感じます。高い専門性を持つプロフェッショナルでありながら、他法人に負けるかといったパワーやバイタリティーを秘めた方が多いのではないかと思います。
一人一人のライフステージを尊重する
監査業務は繁忙期が明確で、企業の期末を機に、その後の1~2カ月が忙しくなります。12月決算となる外資系では1~2月。日系企業に多い3月決算では4~5月です。この期間は「繁忙期」と呼ばれており、監査業務で最も残業が発生しやすくなります。ただ、私が担当している業務は繁忙期もそこまで忙しくなく、終電で帰ることはありません。
3月決算の企業を担当すると、4~5月の土日祝日は一部出社しなければいけないことはあります。しかし、繁忙期を抜けた6~8月は業務が落ち着き、楽になります。仕事は現場ごとに1週間単位でアサインされるため、1週間予定が空くこともあります。そういう時は1週間丸ごと休むこともできますから、長期旅行にも行きやすい会社だと思います。私自身も1週間丸ごと休みました!特に何もしませんでしたが……。
長期休暇以外にも、ライフステージの変化に柔軟に対応している会社だと思います。産休・育休後の復職率も100%ですし、最近は男性社員の育休取得が推奨されており、実例もあります。やはり海外とのつながりが強い会社なので、ワークライフバランスの文化がしっかり根付いていると思います。欧米のスタンダードに合わせようという意識が強く、LGBTの理解を深める研修も用意されています。
現在の担当業務について教えてください。
医薬品・医療機器業界の監査を担当しており、主査業務に従事しています。私は監査法人に転職した年齢が高めだったので、年齢に見合った仕事に早く携わりたいと考えていました。私の「積極的に挑戦したい」という気持ちを尊重して、仕事を任せてもらえていると思います。
監査の場合、複数のクライアントを同時に抱えることがあります。外資系企業に多い12月決算、日系企業に多い3月決算で、それぞれ大きいクライアントを1社ずつ。加えて、それ以外の変則決算の企業、小規模・単発的な仕事をいくつか担当しています。私は計6社程、携わっています。
入所1年目は2週間程度の実務研修で基礎を学び、現場に出ました。現場では一番簡単な科目のチェックから始まります。新人のように指導してもらえるので、会計未経験の私はとてもやりやすかったです。時には親切すぎるくらいで、「俺はもっとできるぞ!」と思うこともありました。慣れてくると少しずつ仕事の領域を広げていきます。
正直、2年目過ぎまでは特に苦労を感じたことはありません。ただ主査業務に携わるようになり、自分の会計知識の不足を感じています。まだ公認会計士が持つ知識量には及ばないため、日々調べ、教えてもらいながらキャッチアップに努めています。
足りない知識を補う上でも、チームを組んで仕事をすることは大切です。入所してからは、同期や一緒に仕事をした先輩とのネットワーク構築は意識するようにしています。このネットワークから色々な情報を得ることができ、また分からない時も聞きやすいので仕事がしやすくなりました。
ゴールが明確な仕事だからこそ、成果が目に見える
前職では、仕事の受注までが営業の担当領域でした。そのため、お客様がWebサービスやシステムを改善・導入したとしても、その後どういった効果があったのか分かりませんでした。監査の場合、会計書類の健全性を示すため1回1回結論が出ます。ゴールが明確な仕事だからこそ、仕事の達成感を感じることができます。通常、クライアントと複数年に渡って監査契約を結ぶことも多いため、前年の監査内容を踏まえて、翌年以降も継続的に関わることができる点も監査の魅力だと感じています。
私の営業経験は、監査業務の中でも活かすことができています。特にクライアント対応は安心して任せてもらえています。USCPAの資格は、仕事をしながら取得しやすいという性質がありますので、ビジネスの素地がある状態で監査法人などに入所できることは、強みだと感じています。
外国籍メンバーとチームを組み、対等に仕事ができる
入所後、USCPAを活かせていると感じる瞬間
英語のインストラクションや指示書を読む上で、内容の理解・イメージが格段に速くなりました。USCPA試験の中には、 試験中に会計基準等を自分で検索し、回答を出すというリサーチ問題があります。この対策で培われたスキルは、監査業務に非常に活きています。
監査業務は会計基準を調べることが多く、その範囲は日本基準・US GAAP・IFRS等、多岐にわたります。必要な情報を効率良く調べるスキルは、チームの中でも早いと感じます。
また業務上、外国籍の方とチームメンバーを組むこともあります。私はこれまでビジネスで英語を使用した経験はありませんでしたが、今は日常的に英語の読み書きを行っています。現場によって、英語のインストラクション、レポートに対応しなければいけないこともあります。抵抗なく、業務に臨むことができているのはUSCPA試験で会計英語にずっと触れてきたおかげです。
もう少し年次が上がると、海外のPwCメンバーファームとやり取りをする機会も出てきます。将来的にはスピーキングも必要になるため、勉強も兼ねて海外との電話会議に参加したいと、上司にお願いしました。堅い会社であれば「いやいや、おまえはまだ早い」と言われるかもしれません。ただ、当社はそういったアピールは大歓迎です。自分のやりたいこと・挑戦したいことはたくさん伝えた方が良いと思います。
PwCのグローバルネットワークを活かし、海外赴任へ
今後のキャリアビジョンについてお聞かせください。
現在、主査業務を担当していますが、将来的にはPwCのグローバルネットワークを利用し、海外赴任をしたいと考えています。PwCはBIG4の中では人数規模も少しコンパクトであるため、他法人と比較しても海外に行ける可能性は高くなります。
正直、海外赴任後のことはまだ具体的に考えておらず、帰国後に監査を続けるのか、アドバイザリーで業務領域を広げるかは、今後上司と相談しながら決める予定です。手を挙げれば、色々な仕事に挑戦させてくれる会社なので、PwCで幅広いスキルを身に付けたいと考えています。
コーチング制度という人材育成の仕組みも整っており、年4回以上は上司と相談する機会があります。「今後どうキャリアを構築していきたいのか」という側面から、悩んでいることや要望等をしっかりと伝えることができます。
私の場合は、いち早く主査業務を経験していきたいという「なりたいビジョン」に対して、自分に足りないスキルや期待されている働き方、評価されているポイントなどフィードバックももらうことができました。
監査法人で活躍する自分のイメージを持つ大切さ
アビタスの転職サポートを利用してみて
会計未経験、加えて年齢面での不安もありましたが、不安を払拭しベストなパフォーマンスができるよう親身になってくれました。積極的にエージェントから情報を集め、志望度の高い法人への選考準備に努めました。そのためエージェント選びでは情報量の多さを大切にしました。
また勉強中からのモチベーションアップの方法として、私と近しい年齢・経験の方の成功体験に触れると、気持ちが前向きになりました。
USCPAは汎用性・専門性・国際性を兼ね備えた人材になる近道
USCPAを目指す皆さんへ
私が共感できるものの一つに、堀江貴文氏の生き方への考えがあります。それは、これからの働き方というのは、1つの仕事で100点を取る人材よりも、いくつかの仕事で80点取れる人の方が活躍できるといった内容のものです。
私自身のキャリアを振り返った際に、複数の転職や、営業から会計へのキャリアチェンジもあり100点を目指す生き方は、難しいと思っています。しかし、これまでの経験も活かしつつ、いろいろなスキルを武器に仕事をしていける人材になるというのも一つの強みになると思っています。
その点、USCPAは汎用性が高い資格です。また専門性・国際性も兼ね備えているため、色々なスキルを身に付けていきたい方には良いきっかけになるはずです。
上司からのメッセージ
製造・流通・サービス部門 Partner 好田 健祐 氏
グローバルな目線を持つUSCPAが活躍できるフィールド
金原 悠也さんの働きぶりは
金原さんは、仕事が早くて正確なだけでなく責任感や積極性の面で際立っています。周囲からの信頼も高く、誰からも「ぜひ一緒に仕事をしたい」と思われている存在です。
自らキャリアアップを図る意欲が高いことから、通常より早いスピードで昇格を果たし、いくつかのプロジェクトは既に現場主査も任されています。これからの成長がとても期待されている存在です。
USCPAとして、業務上必要とされる英文資料等への対応においても、きちんと原文に対峙して取り組んでくれることや、自ら英語学校に通い、常にスキルアップを図る姿勢も高く評価しています。
今後、米国の会計基準、財務諸表監査および内部統制監査に関するテクニカルな知識をさらに吸収し、PwCの海外メンバーファームとのコミュニケーションも主体的に行い、多様な業務経験を積んだ国際的業務のスペシャリストとして大きく成長してくれることを期待しています。
USCPAホルダーに期待すること
PwCにおいては基本的にUSCPAと日本の公認会計士で業務内容と仕事のキャリアに違いはなく、同様の活躍のフィールドがあります。USCPA資格の取得者は経験や知識を活かして、国際的な業務を得意とされる方が多いです。
PwCでは国際的な案件が豊富なので、グローバルな目線を持ち、国際的な会計基準・監査基準を理解するUSCPAの方にPwCでぜひ活躍してほしいと思います。