EY: 前職の営業経験があったからこそ、戦える
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※ご経歴・入社年数はインタビュー時のものです。
河瀬さんは、アビタスからEY新日本有限責任監査法人の財務会計アドバイザリー職に転職されました。インド出張から帰国直後のインタビュー。EY新日本有限責任監査法人の魅力やUSCPAと現職の業務内容の結びつきを紹介してもらいました。
営業として会計の専門知識がないもどかしさを感じ
監査法人に転職される前について教えてください。
外資系の医療機器メーカーの営業として4年間、整形外科の手術で使われるようなインプラントを売っていました。その後2年間、同じ製品のマーケティング部のプロダクトマネジャーとして、販売目標や戦略を立てたり、営業の販売活動のサポートをしたりしていました。
USCPA(米国公認会計士)を取得しようと思ったきっかけは。
もともと会計には興味がありました。営業は、会計の専門的な知識を持っていないことが多く、そこにもどかしさを感じていましたので、USCPAを目指すことにしました。
営業として、売上高だけを伸ばせばいいと思って、安売りをしようとした人もいましたが、実際に事業部として見ると「利益が出せているか」を見ているわけです。この、売上高と利益の数値にギャップがあるという点について、知識を付けたいと考えました。
一方、外資系で勤務していたため、英語が使えないと上を目指せません。この、会計と英語という、両方を一度に勉強できるというアビタスの広告を見て、「これだ!」と思い受講しました。合格し、現職の質を高めるということと、自分のキャリアの選択肢が増えるということに繋がりました。
例えば、ファイナンスのポジションがあれば異動希望も出せたと思いますし、自分の幅を広げるという意味でも取得して良かったです。
海外と関わる仕事のチャンスを求めて
どうして転職活動をしようと思ったのですか。
EY新日本有限責任監査法人に転職する2年前にも、転職活動をしていました。その際は、「会計の仕事をしたい」という明確な意思もあまりなかったため、当時社内のポジション異動を受けました。
一方で、異動先で業務を行う中で、せっかくUSCPAを取ったので、会計をベースにした、しっかりと知識を活かせる仕事をしたいと思うようになりました。
前職で6年間キャリアを積んできてマンネリを感じていたことが、2回目の転職活動をはじめたきっかけです。
EY新日本有限責任監査法人に入所を決めた理由
EY新日本有限責任監査法人に決めた理由は2つあります。1つ目は面接官の親近感・人柄です。私は2年前の転職活動の時、BIG4で唯一EYだけ応募していました。2年前・今回の転職で、両方とも面接官が同じで親近感を覚えました。そして当時の面接官が、現在の上司(パートナー)です。
私は今回の転職でBIG4監査法人全てに応募しました。ただ、採用セミナー等のイベントに参加していなかったので、応募時点では法人毎の違いを明確に理解していませんでした。だからこそ入所の決定材料として、面接官である「実際に働く方々」の人柄で決めました。特にEYは受け答えの丁寧さや、質問に親身に答えてくれたことが印象に残っています。
2つ目は海外と関わる仕事のチャンスです。プロジェクト数の多さ、手を挙げれば挑戦できる環境から、いち早くチャンスを掴める法人だと感じました。
実際にEY新日本有限責任監査法人に入所し、非常に人に恵まれていると感じています。優しく、面倒見の良い方が多いですね。こちらが夜遅くに質問しても、多少嫌な顔はしつつも(笑)、丁寧に教えてくれます。日々、会計の最前線に立つことで刺激も多く、色々な仕事を任せてもらえる点も魅力です。
キャリア構築の観点からも、「こういった仕事をやりたい」とアピールし続ければ、希望を叶える仕事にアプライしてくれます。もちろん人気の高い仕事は競争率も高く、すぐには希望通りにいかないかもしれません。しかし、仕事で成果を出し、周囲からの信頼を得て、「こいつならいける!」と思われることが大切です。
努力をすれば、やりたいと思ったことはやらせてもらえる風土だからこそ、向上心のある人にとって非常にベストな環境だと思います。ワークライフバランス面でも、休みも取りやすく、ミッドタウン日比谷という好立地を活かし、仕事帰りに映画やショッピングを楽しめる、働きやすい職場だと思います。
海外子会社の連結財務報告体制構築支援で念願の海外デビュー
現在の担当業務について教えてください。
メインで担当しているものは4つあります。
- 国内上場予定企業に対するIFRS導入支援
- 収益認識基準導入に伴う、影響度調査及び会計処理検討支援
- 海外子会社買収後の連結財務報告体制構築支援(PMI)
- インバウンド企業の月次決算支援
海外デビューを果たし、タイ出張を経て、インド出張から帰ってきたところです。次は別のプロジェクトでインドネシア出張も控えています。これらは全て3のプロジェクトです。海外企業に対するM&Aを積極的に行った日本企業にとって、適切な財務報告体制を構築することが課題となっています。
連結財務報告のために必要な財務数値や注記情報を子会社側が送ってくれないということも、よくある例の一つです。海外子会社にとっては、必要のない仕事が1個増えたようなものです。それをどう協力してもらうか、どう情報を引き出すかなど、我々がサポートし問題解決へ導いていきます。4は外資系企業の日本子会社が、親会社に月次報告をする際、日本基準からIFRSに組み替える支援を行っています。
前職の事業会社でも海外に行く機会はありましたが、その時は「外資系の日本子会社」としての立場でした。
親会社側への現状報告、社内ミーティング、日本のお客様に対する現地イベントのアテンドがメインです。そのため海外のお客様に対するコミュニケーションはありませんでした。
6年間積み上げてきた商品知識もあったので、比較的スムーズに海外出張をこなしていたと思います。今回は親会社側である日本のクライアント、加えて海外子会社側の経理財務ディレクターやマネージャーといったローカルスタッフがいる中で、前職の経験を買われてインタビューを行いました。「会計を英語で話す」「社外の方とコミュニケーションする」、さらに「日本のお客さんも見ている」という緊張とプレッシャーのある業務に挑戦することができました。非常にタフでしたが、とても良い経験だったと思います。
前職の営業経験があったからこそ、戦える
前職の営業経験は、社内・社外において非常に活かすことができています。社内ではプロジェクト毎にメンバーが異なるので、決まった上司もいません。仕事は各マネージャーに紐付いて存在しているので、そのマネージャーから仕事を振ってもらい、様々な経験を積んでいきます。
営業時代に培われたレスポンスの早さ、依頼されたものを早く提出する、相手の期待値を超えた成果を出すといった仕事のスタイルが、マネージャーからの評価に繋がりました。結果、より良い信頼関係を構築することができ、次の仕事も声をかけてもらいやすいです。社外では、クライアントと打ち合わせをするときの説明やヒアリング、日々の応対などは、上司や同僚から高いスキルと評価いただいています。
また、マーケティング部に在籍していた頃はCFTのような形で、チームをまたいでプロジェクトマネジメントをしていました。今関わっているプロジェクトの多くは、マネージャーがプロジェクトマネジメントを行っています。
時にはプロジェクトマネジメントの手伝いをさせてもらうこともあり、クライアントや社内のメンバーをどう巻き込んでいくか考える際は、マーケティング部での経験が活きています。前職では会計の実務経験はありませんでしたが、今まで積み上げてきたビジネススキルがあったからこそ戦えているのだと思います。
クライアントに信頼してもらえる英語力
入所後、USCPAを活かせていると感じる瞬間
英語に関しては、USCPA学習を通じてリーディングがかなり上達しました。海外の契約書やAuditレポートを見る速度は圧倒的に速いと思います。
会計・ビジネス用語を英語で理解できるということは大きなメリットです。例えば「amortization」と言われても、USCPAを勉強していなければ「償却」と理解することは出来なかったですね。
会計を知っている人間であれば誰でも理解できる言葉が、英語になることで一気に敷居が高くなる。USCPAを学ぶことで、ビジネスの場でクライアントに信頼してもらえる英語まで高めることができました。
また名刺にUSCPAと書かれていると、特に海外のクライアントと話す際、「会計の専門家」として先方の安心感にも繋がっていると思います。
USCPAで学んだIFRSの知識も、前述の3・4といったIFRS導入支援や月次決算の組み替えで活かすことができています。会計知識がなかった頃は監査報告書や有価証券報告書の着眼点や、意味合いも分かりませんでしたが、USCPA学習によって理解することができました。
例えば、売り上げと資産のバランス、どの会計基準を適用しているかといった企業の開示内容が代表例です。あとは新聞の内容がより一層分かるようになりました。ただ仕事上、日本基準の理解も求められます。
クライアントとなる大企業の経理財務担当の中には、入所したばかりの私よりも深い会計知識をお持ちの方も多いので、私も書籍を読んで、主体的にキャッチアップしています。
海外子会社を持つ企業の買収案件に携わりたい
今後のキャリアビジョンについてお聞かせください。
現在の担当業務がとても楽しいので、今後も海外子会社を持つ企業の買収案件や、IFRS導入といった「海外に関わる」分野で経験を重ねていきたいと思います。キャリア制度としてEY海外法人で経験を積むトレーニングプログラムがあるので、そちらにも挑戦したいと考えています。よりグローバルな活躍ができる人間になっていきたいですね。
アビタスは大手監査法人との結びつきが強い
アビタスの転職サポートを利用してみて
会計予備校の運営、会計に特化した人材サービスをされているので、各BIG4法人と結び付きが強いと思っています。様々な法人・部門でセミナーも開催しているので、信頼感があり利用しました。実際に転職活動を進めていく中でも、書類添削や面接対策など、丁寧なケアをしていただき、スムーズに入社まで至りました。私もいずれ採用セミナーのスピーカーとして伺えるように頑張りたいと思います。
USCPAの知識があれば業務の持つ意味が分かる
USCPAを目指す皆さんへ
USCPA取得後、どういうキャリアを描くかは人それぞれだと思います。「勉強して合格する」、この過程だけでもUSCPAは非常に良い経験になるでしょう。
USCPAは仕事と両立しながら取得される方も多いため、今までの社会人経験とUSCPAの知識、両方を活かした仕事ができると思います。
私は監査法人で働いていますが、USCPAは事業会社でもきっと役立つと考えています。会計基準といった本質的な理解に基づき会計処理を行うことで、業務の持つ意味が分かるようになります。
加えて、会計と英語が両方出来る人材は貴重であり、海外通訳や英文作成など、グローバル対応といった面で活躍できるチャンスも増えるのではないかと思います。(実情、対応できる方が少ないので監査法人に仕事の依頼が来ています。)
USCPAは頑張って勉強すれば、楽しい未来が待っているはずです。実際に私も非常に楽しく経験を積むことができています。
皆さんが望むキャリアを描けるよう応援しております、頑張ってください!
上司からのメッセージ
FAAS事業部 プリンシパル 山内 正美 氏
これまでの仕事の知識と経験はUSCPAの強み
河瀬 広明さんの働きぶりは
河瀬さんは、前職でプレジデント賞を受賞される程の優秀な営業マンであり、その経験と能力をEYのアドバイザリー業務でも遺憾なく発揮し、非常に活躍してくださっています。
私たちコンサルタントは、会計プロフェッショナルであると同時に、監査人とは異なり、クライアント満足度が最大の指標となるサービス業でもあります。そのため、クライアントが何を求めているか、チームワークの中で自分がどうすればプロジェクトがうまく行くかを自然に考えて行動できる、そして自分の考えをきちんと感じよく、伝えられる河瀬さんの持つ能力と人柄は、とても重要です。
河瀬さんとはインド出張に一緒に行きましたが、楽しかったです(河瀬さんも楽しかったものと信じています。。)。クライアントもチームもなごやかな雰囲気になりますし、この仕事は彼の天職だと思います!
USCPAホルダーに期待すること
英語・会計は、ビジネスの基礎ツールであり、身につければ多くの選択肢が広がります。しかし、USCPAになって何を目指すにしても、皆様に強くお勧めするのは、今のお仕事がもし会計や英語や将来のキャリアに直接関係がなかったとしても、疎かにせず、そこで得られる知識や経験を可能な限り身につけて次のステージに向かうことです。
働きながら資格をとるという難行をやり遂げる力は証明できていますので、論理性、柔軟性、行動力、コミュニケーション力などのソフトスキルを業務で身につけておくことが重要であり、採用面接の際にも業界を問わず重視されると思います。
弊社の河瀬さん然り、私自身USCPAであり、事業会社、会計以外の業務、監査、国内・海外、アドバイザリーといろいろな仕事を経験してきましたが、すべてが今のキャリアに役立っています。