未経験から経理への転職は可能?可能性や対策方法を解説
- 経理・財務
- 転職ノウハウ
昨今の不安定な経済環境の中、安定した雇用や手に職として専門性を身につけたいという方は増えています。そのようなトレンドの中で、会計専門性を身につけることができる経理は人気の職種になっています。誰もが経理になれるわけではなく、特に未経験中途から経理への転職は難しいのではないか、どうすれば転職できるのか、と思われている方もいるでしょう。
当記事では、未経験からの経理転職は可能かどうか、対策はどのようなものがあるか解説します。
結論、現在のスキルや資質、保有資格次第で転職は可能
結論として、未経験から経理職への転職は、現在のスキルや資質、保有資格次第で可能です。ここでは、どのようにすれば未経験から経理へ転職することができるか、解説します。
そもそもどういった方が未経験からの経理転職に向いているのか?
まずは、自身が経理職にあっているかを知ることが重要です。どういった資質の方が経理職に向いているのか、解説します。
A)学習意欲の高い方
経理は会計を扱う専門職であり、会計知識が必要であることは言うまでもありません。また、会計基準は改正も良く行われるため、その度に学びなおし基準を理解し、業務に落とし込むことが必要になります。また、経理は会計を専門に取り扱うものの、必要な知識はそれだけに留まりません。会計はあくまでも企業のビジネスを描写するためのツールであるため、描写する対象である自社のビジネスを正確に理解しないことにはどのように会計上表現すべきか判断をすることができません。そのため、自社のビジネスへの理解や経済環境への理解といったものも必要になります。
これらの知識は常にアップデートする必要があり、経理人材も常に学習をし続け、キャッチアップをする必要があります。このような継続的なアップデートは学習意欲の高い方でないと続けることは難しいでしょう。一度アップデートを止めてしまうと業務についてこれなくなり、自身が辛いことはもちろんのこと、同じ職場の人にも迷惑をかけてしまうことになります。
このように、情報に対するアンテナを高く持ち、常に情報をアップデートし続けられる人材である必要があります。
B)素直でコミュニケーション能力が高い方
経理と聞くと、パソコンでひたすら数字の集計等をしているイメージを持つ人も多いですが、実際にはコミュニケーション能力が非常に重要な業務です。具体的には、営業等の他部署や子会社とのやりとり、監査法人との打ち合わせ、さらには経営陣への報告等、タイムリーかつ正確な意思疎通が必要であることが多いです。
コミュニケーション能力に難があると、スムーズに業務を進めることができないだけでなく、ミスコミュニケーションによる業務上の重大なエラーに繋がる可能性もあります。例えば、決算を締めるうえで子会社に伝達すべき事前情報が適切に伝わっておらず、決算が適切に締まらないリスクや、監査法人と事前に擦り合わせを行っていたと認識していた事項について実は双方で認識の相違があり、決算が締まる直前で結論がひっくり返る可能性があります。こうした最悪の事態を未然に防ぐためにもコミュニケーション能力は非常に重要です。
また、素直さも重要な要素です。経理と聞くと、会計基準に当てはめて定型的な処理をするのみ、という印象がありますが、実際には会計基準も一定の解釈の幅が認められるケースが多いです。特にIFRS(国際財務報告基準)は「原則主義」を採用しており、基準にはあくまでも会計処理としての原則を示すのみで、取引実態に合わせてどのように会計上反映させるか一定の解釈が認められます。つまり、自身が考えている会計処理とは違うより良い表現がある可能性があります。それに関する指摘を上司や同僚から受けたときに素直に受け取らなかった場合、企業に取ってより良い選択を取れない可能性も発生してしまいます。そのため、まずは人の意見を素直に聞いたうえで、ニュートラルに判断する、というスキルも求められます。
未経験から経理職へ転職するための対策方法とは?
次に、自身が経理職にあっていることを把握したうえで、今後経理職として内定を取るためにすべき対策方法を解説します。
A)自身のスキルを棚卸し、身につけるべきスキル等を把握する
経理転職を考える上で、まずは自身のスキルを一度棚卸することをおすすめします。自身のスキルの棚卸をしてみないことには、今の自分に何が足りていないのか、把握することができないからです。
棚卸の結果、スキル不足があれば、
①現職でより経理的なスキルの向上につながる業務に積極的に取り組む
②会計系の資格を取る
というアプローチが有効になります。なるべく早いタイミングでスキルの棚卸を実施しましょう。
B)なるべく若い年齢で経理への転向を考える
経理に限らず、一般的には異職種への転向は年齢を重ねるにつれて難しくなり、それが専門職であるならばよりその傾向は強くなります。経理職への転向を考えている方は、なるべく遅くとも30歳までには転向を考えるべきです。もし30歳を超えての転向となる場合は、会計系資格の難関資格を取得し、監査法人就職を経由して将来的に事業会社の経理、というルートを取るのが無難です。監査法人は現在慢性的な人手不足となっており、有資格者であれば未経験でも比較的採用をしてもらえる可能性が高いです。一度監査法人というプロフェッショナルファームを経由すれば比較的簡単に経理職に転向することが可能です。
C)会計人材に特化したエージェントを利用し、効果・効率的に転職活動を進める
未経験からの経理転職を効果的・効率的に進める上で、会計人材に特化した転職エージェントを利用することがおすすめです。会計人材に特化したエージェントであれば、経理に関する求人を効率的に集めることができるだけでなく、経理転職に精通したアドバイザーから的確なアドバイス、面接対策を受けることができます。
会計人材に特化したエージェントに関しては以下の記事も参考にしてください。
まずは自身のスキルや経験を棚卸してみましょう!スキルを補うための資格取得はUSCPAがおすすめ!
ここまで、未経験からの経理転職は難易度が高いものの、自身が持っているスキルや資格次第では充分に実現可能であることを解説しました。また、今はまだスキルや資格が充分でない場合でも、経理転職を見据えて意識的にスキルが身につくような業務に取り組んだり、資格取得のための学習を始める、といったことも効果的であることがお分かりになったかと思います。その中でも、資格取得は誰でも取り組みやすいため特におすすめです。取り組む業務は会社に依存することが多いですが、資格取得であれば自身ですぐに学習を開始することができます。
経理転職には日商簿記検定などの会計系の資格取得がおすすめです。中でも特におすすめなのは米国公認会計士(USCPA)です。USCPAであれば無理のない範囲での学習で合格が可能です。税理士や日本の公認会計士といった最難関資格の取得は困難を極めますが、USCPAは多忙な大学生・社会人でも無理なく学習・取得が可能です。また、会計だけでなく英語力も身につくため、会計だけでなく英語もできる人材としてアピールすることができ、自身の市場価値をより高めることができます。
特に昨今は、グルーバルに活躍できる人材が強く求められる傾向にあります。そこに何らかの専門性を掛け合わせることができれば、今後のキャリアアップを見据えても盤石であるといえるでしょう。
筆者の周りでも、USCPAを取得後に営業職から未経験で経理へ転職した人がいます。私の以前の上司がまさにそうで、最初は営業職であった人がUSCPAで経理に転職し、圧倒的な結果を出し、上場企業の経理部門で管理職をしている、というケースです。未経験からの経理転職に不安を持たれている方は希望を持っていただきたいです。
USCPAに関しては以下の記事も参考にしてください。
経理職への転職はAB Careerで!
AB Careerでは、ビジネスプロフェッショナルのキャリア支援を行っています。専門領域に精通したキャリアアドバイザー陣による、キャリアアップやワークライフバランスなどを考慮に入れた転職プランの提案が強みで、利用者から高い評価を得ています。経理職への転職を考えている方は、まずはAB Careerの転職・キャリア支援の無料申し込みをおすすめします。
AB Careerによる転職・キャリア支援の申し込みはこちらから。
https://abcareer.com/support-form/