Big 4に第二新卒で転職したら活躍できるか?Big 4に在籍している現役コンサルタントのUSCPAホルダーが解説
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新卒で事業会社などに就職したものの、様々な理由で早くも転職を考えている若い社会人の方は一定数いらっしゃるものと思います。その中には、せっかく転職するのであればレベルの高いところに挑戦したいという志を持ち、いわゆるBig 4への第二新卒での転職を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、Big 4に第二新卒で転職したら活躍できるのか、不利に扱われることはないのかといった疑問に対して、Big 4の現役コンサルタントである筆者が解説します。実際に第二新卒の方々と同じプロジェクトで働いてきた経験を基に執筆していますので、実用的な内容になっていると思います。
1.第二新卒でBig 4に入社する人は多いのか?
まず、第二新卒でBig 4への転職を考えている方は、同じことを考えている方がそもそもどれだけいるのか、そして実際に入社する方がどれだけいるのかが気になるのではないかと思います。
第二新卒にフォーカスした定量的な情報はあいにく持ち合わせていませんが、結論から言うと、かなり多いというのが私の印象です。これまでアサインされてきたプロジェクトのほとんどで第二新卒出身者の方との接点がありました。
彼らに入社の経緯を聞くと、返ってくる答えは様々です。
事業会社でキャリアスタートしたが、希望する部署に配属されずこのままでは思い通りのキャリアにならないと思って方針転換する人。就職活動時点では社会人経験がなくコンサル就職に二の足を踏んでいたが、実際に社会に出て働いて見て何とかなりそうだ、もっと上を目指したいという思いが出てきた人などです。
いずれにしても、社会人としての高い成長意欲を持っているにもかかわらず、最初の会社でその意欲を持て余す形になってしまった方々が、早期のキャリアチェンジを検討してBig 4にチャレンジされているものと思います。
2.第二新卒で入って活躍できるのか?
仮にBig 4に入社できたとして、活躍できるのか不安に思われる方も多いと想像します。第二新卒での転職だと、まだ社会人経験が長いとは言えず明確に「これが私の強みです」と言い切れるものはないでしょうし、そのような状況でコンサルタントとして高いバリューを発揮することを求められるのは確かにハードルが高く感じられます。
しかし結論から言うと、十分に活躍できるであろうというのが私見です。理由は以下の通りとなります。
企業側の採用ニーズの面から
第二新卒が新卒と比べて有利な点は、言うまでもなく、社会人経験を有することです。
たとえそれが1〜2年という短い期間であっても、社会人経験があるのとないのでは全く違います。社会人としてのマナー等の基礎は最初に勤めた会社で教育されており、かつ我流での仕事の進め方には染まっていないため、採用する企業側からするととても都合が良いのです。したがって新卒と変わらないぐらいの採用ボリュームゾーンとなっている感もあり、非常に有利であると言えます。
私が以前所属していた部門では、毎月のように第二新卒の方が参画されていました。
個人のキャリアパスの面から
歳を取ってからの転職になるほど求められるレベルが高くなりますし、年下の上司を持つことになる可能性も高まります。私は30代になってからコンサル未経験でBig 4に転職しましたのでよく分かりますが、年下のマネージャーにコンサルタントとしての基礎を一から叩き込まれるのは精神的に辛いものがありますし、相手も気を遣います。コンサル未経験とはいえ30代であれば社会人経験は長いので、早期のキャッチアップを求められますし、あまりにも時間が掛かるようだと見切られてしまう恐れも十分にあります。
第二新卒であれば、新卒入社の年の近い若手と比べて入社直後は一時的にポジションが低い状態になることはありますがが、すぐに挽回可能です。将来的にBig 4に入りたいなら、「まずは事業会社で経験を積んで…」などと考えず、歳を取る前にできるだけ早くBig 4に飛び込んでしまったほうがあらゆる面で得策の可能性が高いと考えます。
3.第二新卒で転職活動するのはイメージが悪くないか?
一昔前と比べると転職に対する考え方は大きく変わってきたとはいえ、第二新卒での転職に良いイメージを持たない方も一定数は存在します。その観点から二の足を踏む方もいらっしゃるかと思いますが、結論から言うと、これも心配無用というのが私見です。
基本的には転職理由を自分の言葉で語れればOKだと考えてください。
上述の通り、第二新卒の方々は採用する側からすると都合が良いため、優秀な人材がいればどのファームも喜んで採用したいと思っています。コンサルティングファームは良くも悪くもその辺りはオープンで寛容であり、実際に第二新卒で転職する人自体が増えていますので、誰もそれを変なことだとは捉えません。
なぜ転職するのか、Big 4に転職して何をしたいのか、将来的にどうなりたいのかといったキャリアパスをきちんと自分の言葉で語ることができれば問題ないでしょう。
とはいえ、新卒との何らかの差別化は考えるべきです。新卒と比べればいくらか年齢を重ねていますし、社会人経験を積んでいると期待されている以上、第二新卒として新卒との差別化は考えておくに越したことはありません。
その一例としては資格取得が考えられます。Big 4で役立てられる資格の取得実績があると、Big 4に入りたいという本気度がより相手に伝わりますし、実際に入社後の仕事のパフォーマンスも上がるはずです。
4.第二新卒でBig 4に入りたいなら、USCPA取得を考えては?
資格には色々ありますが、筆者がUSCPAホルダーということもあり、ここではUSCPAを推奨させていただきたいと思います。実際にUSCPAは下記の理由からとてもコストパフォーマンスの高い資格であると考えています。
第二新卒で転職活動するのはイメージが悪くないか?
理由①会計の広範的な知識は入社後に必ず役に立つ
Big 4に入社し晴れてコンサルタントとなれば、何らかのPJに配属されます。どんなPJに配属されるかは分かりませんが、個人的な経験上、会計が全く関係ないものは存在しないといっても過言ではありません。
もちろんPJ配属後に勉強してキャッチアップすることは可能ですが、先回りして基本的な知識を習得しておけば入社後に別のことに時間を使うこともできますし、すでに基本的なことは勉強したという気持ちの余裕も生まれるはずです。
理由②自分の興味関心に気づく契機となる
USCPAは幅広い分野を薄く広く学ぶので、自分が興味があること/ないことが勉強を通じて分かってきます。入社後、どんなPJをやりたいかなどの配属希望を必ず問われますが、資格取得の勉強とはいえ実体験に基づいて答えることができますので説得力もありますし、キャリアパスのイメージを事前に描きやすくなると思います。
理由③将来的な海外勤務の可能性を高められる
USCPAは試験は全て英語で出題されるので、必然的に英語に触れる時間が長くなります。英語を使う海外のPJへの配属や海外事務所への転勤等を希望する場合、資格取得を通じて「英語で財務諸表を読める、英語の会計用語に親しめている」というのは大きな武器になります。
Big 4に入るような方は皆さん語学が堪能だと思われている方もいますが、正直なところ、そんなことはありません。もちろん語学が堪能な方もいますが、英語は全くダメだと宣言されているマネージャー以上の管理職もそれなりにいます。したがって、英語に苦手意識がないというだけでも十分な差別化要因になります。
5.まとめ
本記事では、第二新卒でBig 4に転職したい方の背中を押すべく、現役のBig 4コンサルタントとして実際に第二新卒の方々を迎え入れて一緒に仕事をしてきた立場から、Big 4にチャレンジするメリットなどについて説明しました。
基本的には意欲が高く転職の理由をロジカルに説明できれば誰にでもチャンスがありますが、周りの優秀な方たちとの差別化を図る方法も考えることが望ましく、その上でUSCPAなどの資格取得が有効になり得ることも解説しました。
幸い、コンサル業界は活況で常に人が足りていない状況が続いています。優秀でやる気のある若い方はどのファームも大歓迎です。USCPAの取得含めて、ぜひチャレンジしてみてください。