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2024/11/21

日本の新卒採用では職種別採用が行われておらず、基本的には総合職として採用され、入社後に配属する部署が決定するケースがほとんどです。入社後の配属面談で希望通りの配属になることもありますが、多くは希望通りにならないことが現実です。

社会人生活は40年以上もあるため、自身の望む職種で働くために、第二新卒の早い段階から転職する動きも多く見られます。特に、会計の専門職である経理職は第二新卒の転職先としても人気です。

一方で、会計専門職である経理に、第二新卒として転職するにはどうすればよいのでしょうか。

当記事では、第二新卒の方が経理職へ転職するにはどうすればよいのか、志望動機や自己PRの書き方、内定獲得のためのポイントを解説します。

経理職とは?魅力についても解説!

経理職とは、企業の取引を「仕訳」という形で記録・管理をし、決算書を作成し、経営層に報告をする職種です。経理の業務は「会計基準」というルールに基づいて行われており、会計に関して幅広く、深い知識が求められます。

また、企業によって業務範囲は異なるものの、余資運用・資金調達といった財務業務や、税務申告といった税務業務も取り扱うこともあります。会計基準や税法に関する知識が求められ、また、それらは絶えず変更がなされるため、常に学び続ける姿勢が大切な職種です。

経理職の魅力は、「数的観点から経営のサポートをすることができる」、「専門性が高く、転職等もしやすい」、「キャリアイメージがつかみやすい」、「繁忙期が明確であるため比較的休みがとりやすく、ワーク・ライフ・バランスの観点で良い」という点が挙げられます。

筆者は新卒から一貫して、事業会社で経理職として働いていますが、繁忙期は決算のタイミングであるため基本的毎年同じタイミングとなるため、いつが繁忙期かを把握しやすく、プライベートの予定も調整しやすいです。

また、会計専門性はどのような会社でも必要であるため転職もしやすく、自身の思い描くキャリアを歩んでいる方が多い印象です。

経理職に必要なスキルとは?

経理職に必要なスキルについて、ハードスキル、ソフトスキルの両面で解説をします。

ハードスキルとは、専門知識や技術といった、習得してできるようになったことや使えるようになったものを指します。一般的に、スキルと聞いてイメージされるのはこちらのハードスキルについてではないでしょうか。

経理職の場合で言うと、会計に関する専門知識や、決算業務対応スキル(仕訳の起票や開示資料の作成等)、税金に関する確定申告書の作成実務、といったものが代表的なスキルになります。これらは資格学習や日々の業務をこなす中である程度は自然に身につくものでしょう。

一方、ソフトスキルとは、信頼性の高さ、時間管理といった、時間をかけて身につけていった個人の特性に関するスキルを指します。

経理職の場合で言うと、他部署と適時・適切に連携をするためのコミュニケーションスキルや、「本当に今の会計処理はあるべきになっているのだろうか」といった批判的思考力といったものが該当します。

経理職では会計知識等のハードスキルが重要であることはいうまでもないのですが、他部署との連携が多いことから、ソフトスキルも非常に重要になっています。「経理職はパソコンの前で静かに作業をするだけで良い」と考えている方も一定数いると思いますが、ここで認識を改めていただくのが良いでしょう。

経理職に必要なスキルについて詳細が知りたい方は以下の記事も参考にしてください。

関連記事:経理の転職で求められるスキルとは?ハードスキル・ソフトスキルの両面で解説

第二新卒からの経理転職での志望動機や自己PRの書き方は?

ここまでで、経理職の魅力や必要なスキルについて解説をしました。

第二新卒採用はあくまでもポテンシャルを見られるものの、「経理職として採用したい」と企業側に思われるように、適切にスキルや適性をアピールする必要があります。特に昨今経理職は人気で競争率も高く、既に経理職としてある程度キャリアのある候補者とも競争をすることになるため、分かりやすく、的確に自身のポテンシャル、魅力を伝えられるようにすることが大事です。

ここでは、経理転職での志望動機や自己PRの効果的な書き方を解説します。

1.志望動機

①経理経験者の場合

これまでの業務経験があるため経理職について解像度が高く、志望動機は書きやすいのではないかと思います。そのため経理経験者の場合は、まずは「これまでどのような業務をどこまでやってきたか」を明確にした上で、「転職先でどのように活かし、どのようなことに新たに挑戦したいか」を意識して書くことが重要です。

まず、「これまでどのような業務をどこまでやってきたか」を明確にすることで、企業側も応募者がどれだけのスキルを持っているか、やってきた業務に対してどれだけの理解度があるか、を確認することができます。

その次の「転職先でどのように活かし、どのようなことに新たに挑戦したいか」という点が難しいのですが、これまでの経験を転職先でどのように活かすことができるのか、なるべく具体的に伝えることを意識しましょう。

内容はどんなに些細なものでもかまいません。「経費や在庫の分析を通してグループ全体のコスト削減に貢献しました。」といった大きなものや、「あまり関係性の良くなかった海外子会社との丁寧な対話を通して信頼関係の改善に努めました」といった内容でも構いません。

第二新卒の候補者には大きな実績は求められないため、候補者の資質が分かるエピソードが伝えられれば充分であると言えます。

 

②経理未経験者の場合

経理未経験者の場合は、まずは「なぜ経理職として転職をするのか」という点を明確にするのが最も重要になります。そのためにも、まずは経理の基本的な業務について、最低限把握するようにしましょう。経理職について基礎的な知識も知らない状態では、「経理職になりたい」という志望動機にも説得力が出ません。転職活動をするにあたって、事前準備として経理職に関する基礎的な書籍を最低でも1冊は読んで解像度を高めましょう。

次に、経理職に関心を持った具体的なきっかけを、なるべくポジティブな側面で語るようにしましょう。特に、「会計専門性というハードスキルが身につくため」といったような、自分本位の志望動機にならないようにしましょう。

例えば、営業職の方の場合は、「営業職の経験から会社の業績への影響・決算内容について興味を持つようになった。営業職として売上を作るのではなく、経理という立場で経営者の右肩として会社経営のサポートをすることに魅力を感じ、志望した」というような形で、あくまでも経理職として会社の業績に貢献したい、という点をアピールすることが重要です。会社は個人のためのスキル養成機関ではないため、自身がどれだけ会社に貢献できるかという点を、未経験であってもアピールする必要があります。

2.自己PR

自己PRの目的は、「どのようなスキルや業務経験、資質があり、入社後どのように活躍することができるか」と伝え、採用側に具体的にイメージしてもらうことにあります。第二新卒では新卒採用と同様、基本的にはポテンシャル採用になるため、「経理に向いている人材」であることが分かるようにアピールをすることが重要です。

ソフトスキル面は経理経験者であっても経理未経験者であってもアピールする材料はあるはずであり、自己分析やこれまでの業務の棚卸の中でアピールできる素材がないかを確認の上、記載しましょう。

 

①経理経験者の場合

ソフトスキルに合わせて、実務に基づいたハードスキルや、簿記検定・USCPAといった会計資格があれば、それらもあわせてアピールしましょう。経理未経験者と異なり、経理経験者は業務経験等のハードスキルも一定程度見られることになります。もちろん、第二新卒であるため、圧倒的な実績が必要であることはないですが、自身が担当してきた業務とそこから得られたスキルをきちんと自分の言葉として言語化し、アピールするようにしましょう。

 

②経理未経験者の場合

経理未経験者の場合は前述のソフトスキル面を中心にアピールすることになると思います。その際も、これまで取り組んできた具体的な業務にも触れつつ、高いソフトスキルがあることをアピールすることが効果的です。

特に、信頼性・正確性の高さ、タスクマネジメント能力は経理職として活躍する上で必須であるため、最低限これらがアピールできるように準備が必要です。

第二新卒での経理職への転職は転職エージェントを上手く活用しましょう!実務経験や資格がある方は会計人材特化型のエージェントが特におすすめです!

ここまでで、第二新卒で経理職へ転職するための志望動機や自己PRの書き方といったポイントを解説しました。少しでも実務経験があれば企業へアピールがしやすいのは事実ですが、実務経験や資格がないからと言って悲観する必要はありません。あくまでも第二新卒での採用は今後のポテンシャルを見られるため、これまでの業務経験等から経理として向いていることがアピールできるのであれば、充分に経理職への転職は可能です。

もしそれでも不安がある方は、会計資格を取得し、アピールするといったアプローチも可能です。例えば、簿記2級やUSCPAといった資格が代表的でしょう。簿記2級よりもUSCPAの方が取得のハードルは高いですが、順調にいけば1年~1年半の学習機関で合格は可能であり、学習をしている、あるいは科目合格しているという事実だけでも採用面接では評価される可能性があります。

筆者は、社会人3年目の頃に経理職から別の企業の経理職として転職活動を行いました。その時点ではUSCPAの学習中であり、採用面接の場でもその旨を伝えたところ、学習中であることが経理として意欲があるとみなされ採用するに至った、と後日聞きました。もちろん、合格しているに越したことはないですが、意欲をアピールする上でも資格学習は充分効果的であると言えます。

また、転職の際は、転職エージェントの活用を強くおすすめします。自分自身のみで転職活動を進めると方向性が分からなくなり、時には客観的な立場での意見が必要になってくるケースもあると思います。

一般的な第二新卒であれば、通常の転職エージェントで充分ですが、既に実務経験があったり、USCPAといった資格を持っている方は、会計人材特化型のエージェントに相談することをおすすめします。会計人材特化型のエージェントであれば、多数の会計人材のキャリアを見てきているため、ベストな方向性を提案してくれる可能性があります。進むべき方向性に迷いが生じた場合は、相談をしてみましょう。

会計人材特化型のエージェントについては、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:経理職に強いおすすめの転職エージェントは?おすすめの転職エージェントを紹介

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