内部監査の年収って正直どうなの?現役CIAが解説
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昨今、内部監査業務が老若男女を問わず注目を集めています。内部監査が注目を集めている要因の1つとして、年収が挙げられます。
内部監査業務の年収体系には大きな幅があり、スキルや職務経験などによってその年収額は大きく変わります。では、どのようなスキルや職務経験があれば、内部監査で年収を上げることができるのでしょうか。
本記事では、「内部監査」と「年収」をテーマとしたキャリア形成について解説します。
具体的には、内部監査というお仕事がどれくらいの年収体系であるのか。職位やスキルによって様々ですので、それらをケース毎に分けて解説します。内部監査についてご興味がある方や今後内部監査で年収を挙げていきたいと考えている方は是非とも参考にして下さい。
・内部監査の年収について(職位編)
・内部監査の年収について(スキル・経験編)
・補足:そもそも内部監査ってどういう仕事?
内部監査の年収について(職位編)
内部監査で年収を上げる方法は様々ですが、ここでは2点ほどご紹介します。
1つ目の方法は、昇格による年収アップです。
これは内部監査に限らず言えることですが、昇格することで業務内容のレベルや責任は大きくなりますが、それに合わせて年収もアップします。
会社によって様々な職位があるものの、内部監査の場合、一般的には大きく「主担当」と「管理職」と「部長」にわけることできますので、これらについて解説します。
内部監査 主担当
様々な転職サイトが掲示している年収分布によると、主担当の場合、会社の規模や業界によって異なるものの、一般的には年収400万~600万あたりとなっており、日本の平均年収と同等あるいはそれ以上の金額となります。
主担当の主な業務は、内部監査の一連の業務です。
具体的には、監査計画の策定・予備調査・実査・監査報告書の作成・改善案の策定・フォローアップなどです。また、テーマ監査やIT監査など、特定の目的を定めて行う監査を実施することもありますので、監査業務は多岐にわたります。
主担当として業務を行うことは、内部監査のキャリアパスにおいて最初の一歩となります。
この段階では、内部監査とはどういうものかを理解しながら内部監査経験を積んでいき、少しずつ能力を高めていく段階です。
もし、内部監査業務が初めての場合、最初は主担当から経験を積んでいくことになりますが、主担当でも平均年収400万~600万くらいであれば、他の職種と比較しても年収は高いと言えます。
内部監査 中間管理職
中間管理職とは、主にマネージャー、チーフ、リーダーなどが該当します。
一定数の部下を持ち、マネジメントを行いながらチームとして内部監査業務を行っていく職位です。
様々な転職サイトが掲示している年収分布によると、中間管理職の場合、会社の規模や業界によって異なるものの、一般的には年収600万~1000万あたりとなっており、日本の平均年収よりさらに高い金額となります。
中間管理職の主な業務は、主担当が実施する内部監査業務を管理し、部長と連携していくことですが、その業務内容は多岐にわたります。
例えば、部下に対するマネジメントの場合、部下一人一人に合わせた適切な目標を設定して進捗を管理しますが、進捗を管理する中で、どうすれば部下のスキルを最大限伸ばすことができるのかを様々な角度から考えなければなりません。
手法として、1:1で部下と積極的にコミュニケーションを取ったり、部下の成果を定期的に評価してフィードバックするなどが該当します。
また、内部監査の場合、主担当が内部監査で誤った判断や評価を行ってしまうことがないよう配慮することも必要です。
仮に主担当がミスを犯してしまったとしても、何故ミスが起きてしまったのかを主担当に分析させ、その内容をもとにフィードバックを行うなどして、主担当の成長をフォローすることが大切です。
他にも、中間管理職として部長との連携を強化していくことも必要です。
特に、部長が内部監査部門をどのようにしていきたいのか。部下に何を望んでいるかなどを定期的に確認し、認識のズレが生じないよう連携を強化していかなければ、部門内でチームワークを発揮することができません。
中間管理職は主担当と部長の間に位置するため、いわゆる橋渡しのような役割を担うことが多いですが、その分の苦労が年収として表れているとお考え下さい。
内部監査 中間管理職
中間管理職とは、主にマネージャー、チーフ、リーダーなどが該当します。
一定数の部下を持ち、マネジメントを行いながらチームとして内部監査業務を行っていく職位です。
様々な転職サイトが掲示している年収分布によると、中間管理職の場合、会社の規模や業界によって異なるものの、一般的には年収600万~1000万あたりとなっており、日本の平均年収よりさらに高い金額となります。
中間管理職の主な業務は、主担当が実施する内部監査業務を管理し、部長と連携していくことですが、その業務内容は多岐にわたります。
例えば、部下に対するマネジメントの場合、部下一人一人に合わせた適切な目標を設定して進捗を管理しますが、進捗を管理する中で、どうすれば部下のスキルを最大限伸ばすことができるのかを様々な角度から考えなければなりません。
手法として、1:1で部下と積極的にコミュニケーションを取ったり、部下の成果を定期的に評価してフィードバックするなどが該当します。
また、内部監査の場合、主担当が内部監査で誤った判断や評価を行ってしまうことがないよう配慮することも必要です。
仮に主担当がミスを犯してしまったとしても、何故ミスが起きてしまったのかを主担当に分析させ、その内容をもとにフィードバックを行うなどして、主担当の成長をフォローすることが大切です。
他にも、中間管理職として部長との連携を強化していくことも必要です。
特に、部長が内部監査部門をどのようにしていきたいのか。部下に何を望んでいるかなどを定期的に確認し、認識のズレが生じないよう連携を強化していかなければ、部門内でチームワークを発揮することができません。
中間管理職は主担当と部長の間に位置するため、いわゆる橋渡しのような役割を担うことが多いですが、その分の苦労が年収として表れているとお考え下さい。
内部監査 部長
部長職では、経営的な視点で部門全体を管理する能力が求められます。
具体的な業務としては、中長期的な年間計画の策定・監査資源の管理・人材スキルの管理・体制の整備などが該当します。
部門全体を管理する能力というのは、中間管理職に明確な目的を伝達し、中間管理職の業務内容を管理する能力を表します。部門の規模によっては細かいところまで部長が管理する場合もありますが、基本的には中間管理職が主体となり、部長が一元して管理するケースが多いです。
様々な転職サイトが掲示している年収分布によると、部長職の場合、会社の規模や業界によって異なるものの、一般的には年収1000万~1500万あたりとなっており、年収1000万超を実現することが可能です。
中間管理職以上に責任重大となりますが、裁量権も大きくなるため、今までの知見を活かしてより良い内部監査を実現することが可能です。年収を上げたいという気持ちが強いのであれば、是非とも目指して頂きたいです。
内部監査の年収について(スキル・経験編)
内部監査で年収を上げる2つ目の方法は、特定のスキルや経験を身につけることによる年収アップです。
先程ご紹介した職位編においても、会社によっては、特定のスキルや経験を身につけないと中間管理職や部長職に昇格できないというケースもありますので、職位による年収アップと密接に関わります。
今回は転職市場で必須要件として記載されていることが多い「英語力」と「IPO経験」について解説します。
英語力
英語力とは、ビジネスレベルの英語力を表します。
内部監査において英語力を鍛えることが年収アップに繋がる理由は、海外拠点に対する内部監査の需要が高まっているからです。
企業のグローバル化や海外事業への拡大が増え続けている中で、海外子会社の管理体制が脆弱であることはリスクとなります。
しかし、海外拠点の場合、言語や文化の違いから内部統制が上手く機能できているかは把握しづらく、このままではリスクに対する統制が機能しなくなる可能性が高くなります。
そのような背景から海外拠点に対する内部監査の需要は高まっており、英語力がなければ海外監査を実施することはできませんので、英語力を鍛えることが年収アップに繋がります。
IPO経験
IPO経験とは、IPO準備企業において内部統制や内部監査体制を構築して運用した経験を表します。
内部統制の整備、リスク管理の強化、コンプライアンスの確保、監査委員会との連携など、様々な手法を駆使して、内部の適切な管理体制について確立させていかなければなりませんが、IPO準備企業ではそれらをゼロベースで構築する必要があります。
業務量は膨大になってしまいますが、その分やりがいもあり、IPOに至るまでの経験は転職において有利となりやすく、年収アップに繋がることが多いです。
また、仮にIPO実現に至らなかったとしても、IPO実現に向けて取り組んできた経験というのは重宝されやすく、そういった観点から見てもIPO経験は希少価値があると言えます。
補足:そもそも内部監査ってどういう仕事?
ここからは補足として、内部監査とはどういう仕事内容について簡単に解説します。
内部監査とは、企業内の独立した内部監査部門(会社の規模によっては内部監査室)が、各部門の業務や財務会計などを調査・評価し、報告や助言を行います。
内部監査の目的は様々です。例えば、業務の有効性と効率性の向上、経営目標の達成、問題の早期発見と解決、職場環境の改善などが該当します。
内部監査は企業内の様々なリスクや問題を解決する上で有効な手段であり、健全な経営を維持するために実施されます。また、内部監査の中で、業務の適正性、コンプライアンス、ガバナンス、リスクマネジメントなどを評価・監視し、内部統制が適切に機能しているかを確認することもあります。つまり、内部監査と内部統制は密接に関わるものであり、切っても切り離せない関係なのです。
内部監査は必ず行わないといけないというものではありませんが、大企業や上場企業にとっては必要不可欠な業務になっています。
実際に2006年に改正された会社法では、大企業において内部統制整備が義務化され、内部監査を設置しなければなりません。この流れを鑑みて、中小企業の中でも、内部監査部門を設立し、内部統制と合わせて内部監査体制を構築する企業も増えています。
内部監査で年収アップを目指そう
ここまで読んでみて、いかがでしたでしょうか。
内部監査で年収を上げる方法は様々ですが、どれも容易に実現できるようなものではありません。まずは、自己分析をきちんと行い、何が得意分野なのかを分析することから始めることをお勧めします。
それが職位によるものなのか、スキルや経験によるものなのかは人によって様々ですが、例えば、昇格を目指しつつ英語力を鍛えるなど、上記の内容を組み合わせて実行するやり方もございますので、是非とも自身に合ったやり方で年収アップを目指して頑張って下さい。
本記事が何か1つでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。