経営企画経験を活かしたキャリア形成とは?
- 経営企画・事業企画・営業企画
本記事では、「経営企画」と「キャリア」をテーマとしたキャリア形成について解説します。
具体的には、経営企画が不可欠な理由と必要なスキルについて触れつつ、経営企画の仕事に携わることがビジネスの全体像を理解し、企業戦略の構築や実行に関与することができる点について解説します。
また、本記事では、経営企画がキャリア形成において重要な理由についても解説し、具体的な成功事例を通じてその重要性を明らかにします。経営企画について理解を深めたい方や今後のキャリアパスに経営企画系の職種をご検討されている方は是非とも参考にして下さい。
・経営企画が不可欠な理由と必要なスキル
・経営企画がキャリア形成において重要な理由
・筆者の体験談:経営企画職でリーダーシップを発揮した経験
経営企画が不可欠な理由と必要なスキル
経営企画が不可欠な理由は、その戦略的役割にあります。
経営企画の仕事内容は大変幅広く、業界や会社によって担っている業務は様々ですが、戦略的役割として経営企画の職務を全うする上で必要な3つのスキルがあります。
これらのスキルがあれば、経営企画としての戦略的役割を果たすことができ、経営企画のより良いキャリア形成に繋がっていきます。
今回は、経営企画としての戦略的役割として果たす上で大切な3つのスキルについて解説します。
①市場環境の分析力
経営企画としての戦略的役割として果たす上で必要な1つ目のスキルは、「市場環境の分析力」です。
正確に市場を理解することは困難ですが、適切な戦略を立案する基盤となりますので、経営企画の核となる業務といえます。これは難しく考えすぎる必要はなく、まずは企業の成長や成功に繋がる仮説を構築し、その仮説に関連するデータを収集・分析していくと良いです。
具体的には、マクロ経済データ、業界トレンド、競合他社の動向、消費者行動データなどのデータを収集・分析した上で、主にリスクや機会などを評価し、定量的データと定性的インサイトの両面から市場環境を把握します。
②戦略立案力
経営企画としての戦略的役割として果たす上で必要な2つ目のスキルは、「戦略立案力」です。
市場環境の分析が完了したら、次は実際に競争優位を生む戦略を構築していきます。これこそが経営企画の存在意義といっても過言ではありません。また、戦略を裏付けるための分析がしっかりできていれば、構築した仮説はより正確なものとなります。
具体的には、市場分析を基に企業の目標を達成するための中長期計画や年期計画などを策定し、そこに立案した戦略を落とし込んでいきます。計画を策定する際はKPIやKGIを設定し、達成に向けた具体的な行動計画を描くことがお勧めです。
③組織横断的な調整力
経営企画としての戦略的役割として果たす上で必要な3つ目のスキルは、「組織横断的な調整力」です。
経営企画は共通の目標を達成するために他の部門と協力する機会が多いため、組織横断的な調整力が必要です。そもそも経営企画は会社全体の戦略策定や実行に関わるため、単一の部門の視点だけでは解決できない複合的な課題に直面することが多いです。
こういった複合的な課題に対しては、各部門に散らばる情報を集め、統合・分析することにより、正確な状況把握と意思決定を可能にします。つまり、円滑なコミュニケーションと調整が成功の鍵となるというわけです。
具体的には、戦略実行に必要なリソースの割り当てを行い、異なる部門間の調整を行うための場を定期的に設け、議論し、全社的な協働を促進します。特に、部門間のサイロ化を防ぎ、全体最適を追求することが大切です。
経営企画がキャリア形成において重要な理由
経営企画が不可欠な理由と必要なスキルについてご理解いただいたところで、次は経営企画がキャリア形成において重要な理由について解説します。
経営企画がキャリア形成において重要な理由は、実務で培われる経験とスキルが汎用性に優れ、長期的なキャリアの可能性を広げるからです。
経営企画業務を行うことで、以下の3つの力が養われます。
①データ分析力
1つ目に養われる力は、「データ分析力」です。
経営企画では、市場分析や事業計画を立案する際に大量のデータを処理します。
これにより、単なる数値処理に留まらず、「データから何を示唆するのか」や「どの行動が最適なのか」を導き出す力が磨かれます。
例えば、競合分析を行う際、単に市場シェアを計算するだけでなく、競合他社の成長率や新製品投入のタイミングなども合わせて分析することにより、自社の戦略の幅をさらに広げることが可能です。
データ分析力は、新規事業開発やコンサルティング業務にも活用できますので、キャリアチェンジを容易にできる点も大きな特徴となります。
②課題解決力
2つ目に養われる力は、「課題解決力」です。
経営企画をやっている中、現場で直面する課題の多くは予測不可能で複雑なものばかりです。経営企画はそういった課題に対し、多角的な視点で原因を特定し、解決策を提示しなければなりませんが、この経験を積むことが貴重であり価値があります。
例えば、新製品の売上が低迷しているといった危機的状況に陥った場合、経営企画側で販売チャネルごとのデータを分析し、顧客ターゲティングの見直しを提案し、売上を回復させるということもあります。
これはあくまで一例ですが、経営企画は会社の様々な課題を解決し、企業価値向上を目指します。
③リーダーシップ
3つ目に養われる力は、「リーダーシップ」です。
組織横断的な調整を担う経営企画は、リーダーシップを発揮する機会が多くございます。特に、異なる部門の利害を調整しながらプロジェクトを推進する中で、信頼を築き、合意形成を図る力が磨かれます。
リーダーシップを発揮する事は、将来的に部門長や経営者として活躍する際にも大いに役立ちます。また、経営企画で発揮されるリーダーシップは、単なるプロジェクトマネジメントに留まらず、組織を動かして価値を創出する力を磨く場になります。
この経験を積むことで、キャリアにおける選択肢が広がり、より高いポジションや新しい分野への挑戦が可能になることでしょう。
筆者の体験談:経営企画でリーダーシップを発揮した経験
筆者が経営企画をやっていた際、あるプロジェクトで管理部門がコスト削減を最優先し、商品開発部門が新製品の市場投入時期を最優先していたことがありました。
部門毎に最優先項目が分かれている状況であったため、プロジェクトを遂行する上での目標が衝突してしまい、思い描く戦略を進めることができず、どうするべきか悩んでいました。そこで、双方のデータを分析し、落としどころともいえる解決策を提案しました。
具体的には、新製品の投入時期を少し遅らせる代わりにコストを削減できる施策について提案した後、市場投入の遅れをマーケティングキャンペーンで補填する企画を立案しました。
この調整によって双方が納得し、プロジェクトは円滑に進行することがしました。
経営企画職の業務内容は複雑なものが多いですが、経営企画だからこそリーダーシップを発揮できたといっても過言ではなく、本当に良い経験となりました。
経営企画で理想のキャリアを形成しよう
ここまで読んでみて、いかがでしたでしょうか。
経営企画の仕事は、単なる企業内のポジションを超えたものが多く、キャリア形成においても極めて有益です。経営企画の仕事を通じて得られる汎用的なスキル、全社的な視点、そして多様なキャリアパスの選択肢は、個人の成長とキャリアの可能性を無限に広げます。
経営企画のご経験を基に、自分自身の目標を達成し、さらなる飛躍を目指して頂きたいです。
本記事が何か1つでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。