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2025/02/20

近年、会計専門性と英語力を身につけることができる資格としてUSCPA(米国公認会計士)資格が注目を集めており、資格取得のための学習者も年々増えています。USCPA学習者の中には、自身のキャリアチェンジやキャリアアップのために学習されている方が多くいらっしゃると思います。

USCPA試験に晴れて合格し、ライセンスを取得することができれば間違いなくキャリアチェンジやキャリアアップができますが、その一方で、まだ全科目合格していないものの科目合格実績を活用して転職を実現したい、と考える方も多いと思います。果たして、そのようなことは可能なのでしょうか。

当記事では、USCPAの科目合格だけでも転職は可能なのか、有利に働くのか、実態を解説します。なお、USCPAに関する基礎的な情報は当記事末尾にまとめておりますので、必要に応じてご参照ください。

USCPAの科目合格で転職は可能?有利に働く?

結論として転職は可能であり、また、絶対的にではないですが一定程度有利に働くケースはあります。特に、USCPAで最も重要な科目であるFAR(財務会計論)がアピールもしやすく、評価されやすい傾向にあります。他の科目はFARほど評価されないため、科目合格をアピールするのであればFAR合格後にするのが良いでしょう。

科目合格であったとしても、その科目に関する専門性が一定程度あることを客観的に示すことが可能であるため、例えばFARに合格している人は、「ある程度、基本的な会計学や米国会計基準(USGAAP)に関する素養がある」という評価に繋がります。そうした客観的に証明可能なアピールポイントは転職では武器になります

また、「USCPAを学習中である」という事実は、若手であればあるほどその意欲をアピールしやすいです。

筆者自身、最初の転職ではUSCPAを学習中(FAR取得済み)の状態でしたが、内定後に採用担当に聞いたところ、スキルだけでなく学習意欲も高いことを買われて採用に至った旨、コメントを貰いました。科目合格があれば絶対内定、というわけではないですが、アピールの仕方によって効果的に働くこともあります。

科目合格で転職可能な業界は?

ここまでで、USCPAの科目合格が転職に有利に働き、転職も可能である旨、解説しました。一方で、実際にどのような業界に転職可能なのでしょうか。代表的な転職先を3つ紹介します。

1.事業会社の経理職

USCPAの科目合格で最も可能性のある転職先は、事業会社の経理職でしょう。事業会社の経理職では必ずしも資格が必要でないケースも多いです。既に事業会社の経理職としての実務経験があれば科目合格は大きく有利に働くでしょう。

一方、経理職未経験の方でも、今後のポテンシャルを鑑みて、採用に至るケースもありますので諦めずにチャレンジしてみましょう。

2.会計事務所

既にFARを取得している方には会計事務所もおすすめの転職先です。

会計事務所では会計に関する基本的な知識があれば、他の科目の知識の優先度は低いため、採用に至る可能性が高いです。

特に、まだ経理職等の実務経験がない方は、まずは会計事務所に転職し実務経験を身につけつつUSCPA学習に励み、晴れて取得することができれば更なるキャリアアップが期待できます。

3.FAS等のプロフェッショナルファーム

可能であれば全科目合格後が望ましいですが、FAS等の会計系コンサルティングファームでは科目合格であっても採用に至るケースがあります。

ただし、コンサルティングファームでは単に会計に関する知識だけでなく、論理的に志向する力やコミュニケーション能力といった様々なスキルが高水準で求められるため、注意が必要です。

科目合格ではどのような点をアピールすべき?

基本的に、USCPAの科目合格だけでは直接的に専門性をアピールしづらいため、「学習意欲や向上心」という点と、「今後、全科目合格した際の専門性のポテンシャル」が採用側に伝わるようにアピールするのが良いでしょう。一方で、FARについては財務会計に関する知識が会計実務に直結するため、例えばIFRS(国際財務報告基準)やUSGAAP(米国会計基準)を採用している企業であれば、アピールすることも可能です。

ただし、あくまでも意欲やポテンシャル面のアピールが中心になる点には留意がひつようです。

USCPAの科目合格を適切にアピールしましょう!必要に応じて会計人材特化型の転職エージェントの活用がおすすめ!

ここまでで、USCPAの科目合格のみで転職が可能か、有利に働くのか、解説をしました。結論、転職は可能であり有利に働くケースもありますので、気になる方は前向きに検討するのが良いでしょう。

一方で、過信は禁物です。昨今は転職市場における経理求人の人気も高く、高倍率が予想されます。人気の求人であれば、既に日本の公認会計士資格(JCPA)や税理士、USCPAを取得している候補者もいるため、そうした候補者とUSCPAの科目合格だけで競うのはあまり有利であると言えないでしょう。USCPAの科目合格では、専門性をアピールするというより、学習意欲や今後のポテンシャルを採用側に伝えるということを意識してください。

また、これらをアピールするにあたり、自分自身のみではどのようにアピールすればよいか、迷われることもあるのではないでしょうか。そのような場合は、転職エージェントを上手く活用し、客観的で適切なアドバイスを受けるのがよいでしょう。

転職エージェントにアドバイスを受ける場合、会計人材特化型のエージェントに相談することをおすすめします。会計人材特化型のエージェントであれば、多数の会計人材のキャリアを見てきているため、どのようにアピールをすればよいか、適切なアドバイスをしてくれる可能性があります。

また、USCPAの科目合格でも転職可能な多数の求人を紹介してくれるでしょう。会計人材特化型のエージェントについては、以下の記事も参考にしてください。

関連記事:経理職に強いおすすめの転職エージェントは?おすすめの転職エージェントを紹介

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参考①:USCPAとは?

米国公認会計士(USCPA)とは、米国各州が認定する公認会計士資格です。日本ではなくアメリカの資格であるものの、日本国内で学習・受験ができ、様々なバックグラウンドの方が就職、転職、キャリアアップ等を目的としてチャレンジしている資格です。

試験内容は、財務会計、監査、税法等を幅広く学習することができ、試験では英語での出題となるため、学習を通じて自然と英語のリーディング力を養うことができます。近年の企業におけるグローバル志向の高まりにより、IFRSやUSGAAPに関する素養が求められているため、USCPAの需要は高まっています。

USCPAについてさらに詳細を知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

参考:USCPA(米国公認会計士)とは?魅力や取得後のキャリア・難易度・試験内容を詳しく解説

参考②:USCPAは”会計の専門家”として需要が高い!

USCPA(米国公認会計士)はその名の通り、会計の専門家です。

会計が関連している経理機能はどのような会社にも備わっていますし、近年の会計基準の高度化に対応できる会計人材の需要や、会計コンサルの需要は高まっています。

また、USCPAは国際的に知名度の高い資格であることから、外資系企業からも需要が高く、資格取得により自身の人材価値を大きく高めることができます。

※記事に記載の内容は2024年12月時点のものを参照しています。