
外資系企業の経理求人はどのようなものがある?入るためにはUSCPA等の資格が必要?実態を解説
- USCPA全科目合格
- 資格その他
- 業界その他
- 業種その他
- 転職市場の動向
外資系企業の経理職は一般的に年収の高いイメージがあり、世界的にも企業としてのネームバリューが高いことから、就職活動中の学生や転職活動中の方から大変人気です。
そして外資系企業の経理と言っても様々な求人があります。どういったものが主流なのでしょうか。
また、外資系企業の経理職への就職にあたり持っておくと有利な資格であったり、そもそも必要な資格はあるのかどうか、気になる方も多いと思います。当記事では、外資系企業の経理求人はどのようなものがあるのか、また、入るためにはUSCPA等の資格が必要なのかどうか、解説をします。
なお、外資系企業に関する基本的な情報は当記事末尾にまとめておりますので、適宜ご参照ください。
外資系企業の経理と日系企業の経理の違いとは
経理としての業務内容自体は、外資系企業の経理と日系企業の経理とで大きな違いはありません。
しいて言えば、外資系企業は本国から見て子会社にあたるため、子会社として本社への報告業務が主な業務になることが多く、その点が主な相違点になります。
違いと言えば、「給与面」、「社内のカルチャー」、「雇用に関する考え方」の3つが大きくあります。それぞれ以下で解説をします。
1.給与面
一般的に、日系企業の給与体系は安定感があり、在籍年数に応じて徐々に安定して給与が上がっていきます。一方、外資系企業は日系企業と比較して給与が高い傾向にあり、結果を出せば出すほどそれに応じて給与は大きく上がる「実力主義」の傾向が強いです。この点は皆さんのイメージと合致しているのではないでしょうか。
しかしながら、「実力主義で給与が大きく上がる。」と聞けば聞こえは良いのですが、現実はそれほど甘くありません。「UP or OUT」という言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
一定期間内に昇進するか、そうでなければ退社するか、という考え方を指す言葉であり、外資系企業ではこの考え方を取っている企業が多く、一定期間内に昇進できない場合は退社する必要があります。
このように、外資系企業は給与こそ高めではあるものの、安定感があるとは言えないと考えられます。
2.社内のカルチャー
一般的に、日系企業のカルチャーはウェットであると言われており、会社での飲み会やイベント等が多くあり、人間関係が密であるイメージがあると思います。
一方、外資系企業は人材流動性が高いことから、比較的ドライなカルチャーであることが多いです。
3.雇用に関する考え方
日系企業では終身雇用の考え方が取られており、基本的に解雇されることはなく、退職金制度も充実しています。一方、外資系企業では先述の”UP or OUT”の考え方があるため、成果が低い従業員に「severance pay」という特別退職金を提示して、任意での退職を求めることがあります。
いきなりリストラされることはないものの、結果は常にシビアに見られるため注意が必要です。
外資系企業の経理求人はどのようなものがある?
具体的に、外資系企業の経理求人はどのようなものがあるのでしょうか。代表的なものを3つ紹介します。
1.経理担当者
通常の経理担当者のポジションです。
こちらは日系企業の経理担当者とほとんど業務内容に差はありません。
特徴的な点とすれば、本国親会社への財務報告を含んだレポーティング業務の比重が高いことや、業務上英語力が求められることがほとんどである点です。
また、本国親会社はIFRSやUSGAAPといった国際的な会計基準を採用しているため、その子会社も必然的にそれらに関する知識が必要になります。
日本の大企業ではこれらの国際的な会計基準を採用しているケースが多いため、これらの会計基準に関する知見は今後のキャリアアップにおいて有利に働きます。
2.コントローラー
コントローラーという言葉はあまり日本では聞きなれないと思いますが、欧米系の企業では一般的なポジションです。日系企業で言う「経理部長」のポジションで、経理の管理職をイメージされるのがよいでしょう。
前述した経理担当者と異なり直接手を動かす作業は少なく、財務報告や計画策定、予算作成や事業部門との調整といった、ハイレベルな業務が主になります。そのため、経理・財務に関する素養だけでなく、ビジネスや内部統制に関する知見等、広範な専門性が求められます。
3.FP&A
FP&Aは「Financial Planning & Analysis」の略で「財務計画」と「分析」を意味します。
外資系企業では一般的なポジションであるものの、日系企業ではあまり耳慣れないと思います。イメージとしては、管理会計部門や経営企画部門の業務を担っているイメージです。
業務内容が経理と直結している訳ではないですが、FP&Aにも会計に関する素養が求められ、そこに自社ビジネスに関する知見が求められます。
会計に関する内容だけでなくもっとビジネスにも踏み込んでいきたい方にはおすすめの職種です。
外資系企業の経理への就職に資格は必要?有利に働く?
結論として、資格は必ずしも必要でないですが、有利に働くケースは多いです。
外資系企業はジョブ型雇用(職種別採用)であるため、専門的スキルの有無が評価される傾向にあり、専門職である経理では専門資格等を保有している事実は採用に有利に働きます。
なお、有利と考えられる資格は以下の通りです。
1.公認会計士(JCPA)やUSCPA、税理士資格といった難関資格
前述の通り、外資系企業ではジョブ型雇用で専門的スキルが重視されるため、高度な会計専門性を持った公認会計士やUSCPA、税理士資格は間違いなく評価されます。一般的に働きながらの資格取得は非常に難しいですが、USCPAは働きながらでも無理なく取得できる資格として近年注目を集めています。
2.TOEIC、TOEFL等の英語系資格
外資系企業では本国にレポーティングする必要がある以上、英語コミュニケーションが必須となります。
求められるレベルは企業によって異なりますが、最低でも読み書きはできる程度、可能であればスピーキングが問題ないレベルにまで高めることが望ましいでしょう。
もちろん、TOEICやTOEFL等の英語資格のスコアが明確に求められるわけではないですが、自身の英語学習の成果の測定や、客観的に英語力を示すために受験をするのは有効な手段になります。
外資系経理への就職に必要なのは何よりも「実務経験」!
外資系企業では日系企業と比較して「即戦力人材」が求められます。
先ほど、有利になる資格を解説しましたが、そもそも実務経験がない場合は門前払いとなる可能性があります。あくまでも資格は補助的なものであるため、実務経験で得られたスキルが何よりも重要であり、それらがもっとも評価されるという点は認識すべきです。
実際に資格で得た知識がそのまま役に立つのは実務の2割くらいで、残りは実務での経験を応用して対応することが多いです。そのため、実務でどれだけの経験があるか、成果を出してきたかを評価し、その裏付けとして資格を確認する、という形になるでしょう。
まずは自身の業務に全力投球をし、経験や実績をつけるのが大事です。
外資系企業の経理職への転職には、会計人材特化型の転職エージェントの活用がおすすめ!
ここまでで、外資系企業の経理求人について、解説をしました。日系企業の経理と比較して様々な点が異なりますが、中でも高い給与は多くの人にとって魅力的に映るでしょう。
一方で、好待遇を受けられるのであれば求人の倍率も非常に高く、また、入社後もシビアに実績を見られるため、生半可な気持ちで挑戦するのは避けるべきでしょう。資格取得も有効な手段ではありますが、まずは自身の目の前の仕事に全力投球し、経験や実績を積み上げていくことをおすすめします。
外資系企業の経理求人の応募するにあたっては、よくある総合型の転職エージェントではなく、会計人材特化型のエージェントに相談することをおすすめします。
会計人材特化型のエージェントであれば、多数の会計人材のキャリアを見てきているため、どのように自身の経験や実績をアピールをすればよいか、適切なアドバイスをしてくれる可能性があります。まずは一度相談してみることをおすすめします。
会計人材特化型のエージェントについては、以下の記事も参考にしてください。
会計・財務領域の転職はAB Careerで!
AB Careerでは、ビジネスプロフェッショナルのキャリア支援を行っています。専門領域に精通したキャリアアドバイザー陣による、キャリアアップやワークライフバランスなどを考慮に入れた転職プランの提案が強みで、利用者から高い評価を得ています。
USCPAの科目合格実績が有効な経理求人を探している方は、まずはAB Careerの転職・キャリア支援の無料申し込みをおすすめします。
AB Careerによる転職・キャリア支援の申し込みはこちらから。
https://abcareer.com/support-form/
参考:外資系企業とは
“外”国の”資”本が入った企業であるため「外資系企業」と呼ばれています。
一般的には外国に本社がある会社の日本法人といったように、海外から日本に進出した企業をイメージされることが多いと思いますがいくつかパターンがあり、それらは以下の通りです。
①外国企業が日本で設立した完全子会社(日本法人)(例:P&G、Google、Amazon)
②日系企業と外国企業が共同出資で設立した会社(例:日本マクドナルド)
③外国企業が日系企業の株式を取得したケース(例:日産、シャープ)
※記事に記載の内容は2024年12月時点のものを参照しています。