• コンサルティングファーム・FAS
2025/04/16

本記事では、「FAS」と「キャリア」をテーマとしたキャリア形成について解説します。

FAS(Financial Advisory Services)は、企業の財務的な意思決定を支援する専門分野として、会計士にとってキャリアの新たなステージを切り開く場です。

今回は、FAS業界の役割や市場動向を深掘りし、その魅力と可能性を探ります。また、成功するために必要なスキルについても具体的に解説します。

さらに、FAS業界でキャリアを形成したプロフェッショナルの事例を通じて、未来へのヒントを提供します。専門性を活かしつつ、新たな挑戦を考える会計士の方々に向けて、FAS業界の魅力と可能性をお届けします。

FASにご興味がある方やFASでのキャリア形成をご検討なさっている方は是非とも参考にして下さい。

そもそもFAS業界ってなに?

FAS業界のキャリア形成の魅力と可能性

・FAS業界で成功するためには?

・FAS業界での成功事例

そもそもFAS業界ってなに?

まずは、FAS業界について解説します。

FAS(Financial Advisory Services)は、企業の財務的な意思決定を支援する専門的なアドバイザリー業務です。

その主な役割は、企業価値の向上やリスク管理、戦略的な成長支援に貢献することなどです。具体的には、M&A支援、事業再編、財務デューデリジェンス、資金調達支援などが該当します。

例えば、M&A支援の具体的業務として、買収候補の選定、企業価値評価、交渉のサポートなどが挙げられます。特に、クロスボーダーM&Aでは、異文化対応や複雑な法規制への理解が求められることがあります。

他にも、事業再編では、不採算部門の売却、統合、企業の再構築を通じて収益性の向上を目指す役割を担ったり、財務デューデリジェンスでは、企業の財務状況を詳細に分析し、投資判断の基礎資料を提供したりなど、財務に関連した様々な業務を担います。

市場の拡大背景で言うと、グローバル経済の変化やテクノロジーの進化、ESG(環境・社会・ガバナンス)投資への関心の高まりが注目されています。

例えば、近年ではスタートアップ企業が資金調達を行う際にFASの専門家が関与するケースが増えています。また、脱炭素社会を目指す企業が事業ポートフォリオを再編する際にも、FASの役割が重要です。

FAS業界のキャリア形成の魅力と可能性

FAS業界についてご理解いただいたところで、次は、FAS業界のキャリア形成の魅力と可能性について解説します。

FAS業務では、単なる財務分析に留まらず、戦略的な意思決定を支援する機会があります。例えば、ある企業のM&Aプロジェクトにおいて、買収候補企業の財務状況を分析するだけでなく、シナジー効果を最大化するための統合計画(PMI: Post-Merger Integration)を策定することも含まれる場合があります。

このような経験を通じて、クライアントの経営に深く関与するスキルを身につけることができます。

また、FAS業界は高い専門性を必要とするため、報酬水準が一般的に高い傾向があります。特に、M&Aや事業再編の分野では、案件ごとの成功報酬が給与に大きく反映されることがあります。

経験を積んでいけば、シニアコンサルタントやパートナーといったポジションへのキャリアアップが可能です。これらのポジションでは、案件の全体を統括し、クライアントとの長期的な信頼関係を構築する役割を担います。

さらに、FAS業界はグローバル化が進んでおり、国際的な案件に関与する機会が多くあります。

例えば、海外企業の買収案件の場合、異なる法規制や文化的背景を考慮したアドバイザリーが求められます。つまり、異文化対応能力や語学力を活かす場が広がります。

この経験を積み重ね、国際的なキャリアを形成することも可能です。

FAS業界で成功するためには?

FAS業界のキャリア形成の魅力と可能性についてご理解いただいたところで、次はFAS業界で成功する方法について解説します。

FAS業務では、財務・会計の専門知識が不可欠です。特に、国際会計基準(IFRS)や税務の知識は、クロスボーダー案件で重宝されます。また、財務モデリングやデータ分析のスキルも求められる場合がございますので、それらに関連した資格取得や実務経験を積極的に積んでいくことが重要です。

そして、FASの実務においては、クライアントの課題解決を第一に考える姿勢が求められます。例えば、企業買収の案件では、クライアントの成長戦略や市場環境を深く理解し、最適な提案を行う必要があります。

このようなクライアント志向の姿勢は、信頼関係を築く基盤となります。また、FASのプロジェクトの多くは、チームで進められますので、他の専門家と協力しながら成果を出す能力が重要です。

さらに、FAS業務は求められることが多い中、タイトなスケジュールで進行することが多いです。プロジェクトの進行中に予期せぬ問題が発生することも珍しくありません。これらの課題に柔軟に対応する能力も大切です。

FAS業界での成功事例

これは、FAS業界で活躍する筆者の仕事仲間の成功事例です。

筆者の仕事仲間は30代の会計士でしたが、国内の監査法人での経験を活かし、FAS業務に転向しました。彼は、M&Aアドバイザリーのプロジェクトでリーダーシップを発揮し、クライアント企業の買収プロセスを成功に導きました。その結果、シニアアドバイザーに昇進し、さらに海外プロジェクトへの参加機会を得ました。

本人曰く、M&Aアドバイザリーでリーダーシップを発揮することがやりがいに繋がっており、将来的には外資系FAS企業に転職し、クロスボーダーM&Aの案件を担当したいと言っています。

彼は、英語力と国際会計基準の知識を活かして、複数の国でのプロジェクトも経験したいと言っていましたが、国際的なネットワークを構築し、さらなるキャリアアップを実現することができるのもFAS業界の良さであると感じます。

FAS業界で理想のキャリアを形成しよう

ここまで読んでみて、いかがでしたでしょうか。

FAS業界は、会計士としての専門知識を活かしながら、幅広いスキルを磨くことができます。

高度な専門性を要求される分野である一方、得られる経験と報酬は非常に大きなものです。FAS業界でのキャリア形成を目指す際には、専門性の深化、問題解決能力の向上、そしてグローバルな視点の習得が重要となります。

この分野での挑戦を通じて、自身の可能性を最大限に引き出してみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただきありがとうございました。