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2025/05/28

本記事では、「FAS」と「転職」をテーマとしたキャリア形成について解説します。

転職を考える人にとって、自分のキャリアをどう設計するかは重要なポイントとなりますが、その中でもFAS (Financial Advisory Services)は、財務の視点からビジネスに価値を提供する分野として、転職市場でも高い求人性を持つ分野です。

・その点を踏まえ、今回はFASに転職するメリットやそのための準備について、より深く掘り下げて解説します。

FASにご興味がある方やFASでのキャリア形成をご検討なさっている方は是非とも参考にして下さい。

FASって具体的にどんな仕事をするの?

FASに転職するメリット

・FASに転職する上での準備

FASって具体的にどんな仕事をするの?

まずは、FAS業界での主な仕事内容について解説します。

FASの仕事は、主に会社の財務・経営に関する専門的なコンサルティングを提供することにあります。具体的には、事業価値評価、M&A支援、財務リストラクチャリング、財務モデリングなどです。これらについて、簡単にご紹介します。

事業価値評価では、企業買収や売却の際の公正な価値を算出するための分析を行います。具体的には、財務諸表の分析、将来の収益予測、割引率の計算などが含まれます。

M&A支援では、買収候補先の選定、デューデリジェンスの実施、取引条件の交渉支援などをコンサルし、M&Aプロセス全体をサポートします。

財務リストラクチャリングでは、財務状況が悪化した企業の再建計画を策定し、債権者や株主との交渉を支援します。個人的には、最も責任感のある仕事であると考えます。

財務モデリングでは、企業の将来の財務状況を予測するためのモデルを構築し、経営判断をサポートします。

これらの業務には、会計・財務の知識、データ解析力、そしてクライアントの課題を的確に理解するためのコミュニケーション能力が必要です。

FASに転職するメリット

次は、FASに転職するメリットについて解説します。

FASでの業務経験は、財務に関する高度な専門性を培う絶好の機会です。例えば、M&Aの経験を積むことで、財務分析や戦略的意思決定に関する深い知識が得られます。この専門性は、他の業界や職種に転職する際にも大きな武器となります。

また、FASの仕事は、多様な業界や企業に関わることができる点も魅力です。一つの業界に留まらず、製造業、IT、金融、不動産など、さまざまな分野での経験を積むことで、視野が広がり、ビジネス全般に対する理解が深まります。

さらに、FASで働くことにより、経営者、投資家、他の専門家と接する機会も増えます。このようなネットワークは、将来的なキャリアの選択肢を広げるだけでなく、新たなビジネスチャンスを生み出す可能性も生まれます。経済環境が変化しても、財務やM&Aに関する需要は一定であり、キャリアの安定性も魅力の一つです。

FASに転職する上での準備

次は、FASに転職する上で準備すべきことについて解説します。

今回は、FAS経験者やFAS未経験者共通の準備すべきことを5点ほどピックアップします。是非、ご参考になさってください。

①財務の基礎力を磨こう

1点目は、財務の基礎力を磨くことです。

財務の基礎というと、財務諸表の読み解き方や分析手法などです。これらは徹底的に学びましょう。また、財務諸表を単に読むだけでなく、そこから企業の健康状態や課題を見抜く力を養うことが求められます。特に、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の相互関係を理解できるようになっておくと、FAS業界で活躍できます。

公認会計士や税理士資格の取得を目指すことで、専門知識を体系的に習得するのも効果的です。オンラインコースやビジネススクールを活用して、実務に即した財務分析のスキルを磨きましょう。

②データ解析スキルを強化しよう

2点目は、データ解析スキルを強化することです。

現代のFAS業務では、データ解析スキルが重要視されています。これは単なるExcelや財務モデリングソフトの使い方を習得するだけでなく、複雑なデータセットを効率的に処理し、洞察を引き出す能力が求められます。

さらに、PythonやRといったプログラミング言語を学ぶことで、より高度なデータ解析や自動化が可能になります。これにより、膨大なデータから有益な情報を抽出し、クライアントに提供できる価値が高まります。

③コミュニケーション能力を養おう

3点目は、コミュニケーション能力を養うことです。

FASの業務を行うにあたっては、クライアントや社内チームとのコミュニケーションが欠かせません。特に、財務データや分析結果を分かりやすく説明するスキルは重要です。コミュニケーションを取るときは、専門用語を多用せず、相手の理解度に合わせて適切な表現を選ぶことが求められます。

また、プレゼンテーションスキルを磨くことで、提案内容を効果的に伝える能力が向上します。ロールプレイや実践的なトレーニングを通じて、自信を持って話す力を養いましょう。

④ネットワーキング活動に参加しよう

4点目は、ネットワーキング活動に参加することです。

業界イベントやセミナーに参加し、他の専門家や企業との接点を増やしましょう。これにより、業界動向や最新のトレンドを把握できるだけでなく、転職先の情報を直接得ることができます。

また、LinkedInやその他のビジネスSNSを活用して、業界内での存在感を高めることも重要です。具体的には、自分の専門分野に関する記事を投稿したり、他の専門家と意見交換を行うことで、ネットワークを広げることができます。

⑤自己分析を行った上でキャリアプランを策定しよう

5点目は、自己分析を行った上でキャリアプランを策定することです。

自分の強みや興味を明確にすることは、転職活動の基盤となります。これまでの経験やスキルを棚卸しし、それがFAS業務にどのように活かせるかを具体的に考えましょう。

また、短期的な目標(例:特定のスキルを習得する)と長期的なキャリアビジョン(例:将来的にマネジメントポジションに就く)を設定することで、転職活動を計画的に進めることができます。緻密に考える必要はありません。

自己分析をしっかりと行った上で、漠然と叶えたいキャリアプランを想像し、年単位で自身のあるべき姿を模索することから始めましょう。

FAS業界で即戦力になろう

ここまで読んでみて、いかがでしたでしょうか。

FAS業界の求人情報は、単なる職務内容や待遇の羅列ではありません。その背後には、業界の動向、企業の戦略、そして求められる人材像など、様々な情報が隠されています。

これらの情報を的確に読み解き、自身のキャリアプランとの整合性を判断するためには、徹底的な分析が不可欠です。

職務内容だけでなく、企業文化、キャリアパス、将来性など、多角的な視点から求人情報を分析することで、本当に自分に合った企業、ポジションを見つけることができるでしょう。

求人情報はとにかく分析が大事です。分析を通して、後悔のないキャリア選択を実現してください。

最後までお読みいただきありがとうございました。