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2019/06/17

第2回:「IFRSがUSCPA資格へ与える影響

前回は、IFRSをめぐる国際的な情勢についてご紹介させていただきました。
各国とも「採用」(アダプション)を前提にIFRSへの対応を進めており、米国もその例外ではないことがご理解いただけたかと思います。

日本でも、「10月中旬以降に企業会計審議会を開き、2011年以降の導入を
念頭に置いたロードマップを早急にまとめたい考えだ。」(9月18日日経新聞朝刊)との動きになっています。

さて、USCPAの学習をされている方にとって、アメリカがIFRSを採用した場合、U.S.GPPAはどうなるのか?USCPAの価値に、どのような影響があるのか?
といった心配があるかと思います。
そこで今週は、IFRS導入後のCPA資格について考えてみたいと思います。

USCPA試験の中にはIFRSも

まず、「会計基準」と、「公認会計士資格制度」の問題を、整理して考えることが重要と思います。

会計基準に関しては、各国の対応速度に差が見られるものの、IFRSへの統合が
進んでいるというのが今回の動きです。これは、各国の公認会計士試験の
出題内容が、IFRSに準拠したものに変わっていくことも意味します。AICPAによると、USCPA試験のFAREにおいて、2010年からはIFRSに関する問題が出題される見込みです。

U.S.GAAPを勉強している私たちの対応としては、IFRSの中で、U.S.GAAPと違う部分を学んでいくという対応になります。(日本の会計基準と
比べれば、U.S.GAAPとIFRSの違いは少ないので心配はいりません。)

USCPA・Charterd Accountant・JCPA

次に、「公認会計士資格制度」は、未だにアメリカ、日本、イギリス、ドイツ、フランス等、各国が独自に維持しているのが現状です。(EU圏内でも「EU公認会計士資格」というものは存在しておりません。)

国際的なフィールドで活躍したい人にとって、どの国のCPAを取得するか、選択肢としては、

1)USCPA、2)イギリスのCharterd Accountant、3)日本の公認会計士、の3つがあり得ると思います。この中で、日本の公認会計士は、言語が日本語であること、会計基準のIFRS対応が遅れていることなどから、国内はともかく、現在国際的な資格として取得するには、分が悪いところがあります。

イギリスのCharterd Accountantは、受験科目の多さ(1次試験12科目、2次試験3科目)に加え、特定機関での3~5年の経験を経ないと資格認定されないという問題があります。

以上の点や、我が国との経済的な関係の深さを考えると、日本人にとっては、やはりUSCPAがよりよい選択と思われます。

国際的なフィールドを目指すならUSCPA

今、サブプライムから始まったアメリカの金融危機が大きく報道される中、IFRS対応において米国がEUに先行されている点などを見ると、USCPAを勉強することに不安を感じられるかもしれません。

しかし、米国企業は依然多国籍に展開しており、米国経済の「底力」はまだまだ軽視できないと思っています。 8月に突然起きた米国のIFRSに対する方針転換も、IFRS策定の場で国際的な主導権をとるがためのしたたかな戦略とみることさえできます。
(そこにいくと、日本の「地位低下」や「内向き志向」の方が深刻とさえ思います。

今回のIFRS導入でも、韓国は2010年からの採用を早々と決めたのに対して、日本は「米国が目指しているような自国の基準を取りやめ、国際基準に一本化する「強制適用」をめぐっては意見がまとまらず」(18日日経新聞)といった状況です。

皆様には、世界の動きをしっかりと把握するなかで、今後必要とされる知識をしっかりと勉強していただきたいと思います。