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2019/07/01

USCPAの転職先①「未経験でも監査法人は狙える!」

皆さん、こんにちは。さて今回はタイトルにもありますように、USCPA(米国公認会計士)取得後のキャリアについて具体的にご紹介していきたいと思います。

さて、まず大前提ですが、皆さんが「よし、旅に出よう」と思い立った時に、まず、最初に考えることはなんでしょうか。

おそらく、多くの方は最初に「どこに行こう?」と考えるのではないかと思います。実はUSCPAを活かした転職活動も、まさにそれと同じです。

「USCPAを武器に転職活動をしよう!」と気持ちが固まった際に、次に考えなければいけないのは「どういった場所」で「どんな仕事」に携わるかということが大切です。

今回のシリーズはUSCPA学習を開始されたばかりの方に必ずと言っていいほど、まずはお伝えする内容です。毎回、「え!そんな選択肢もあったの…」と驚く方も多いですよ。

ボリュームも大きいので長丁場の連載とはなりますが、「USCPA転職先シリーズ(計7回連載)」を読んでいただくだけで、格段に転職活動が進めやすくなります!

USCPAの転職先

①監査法人

②税理士法人

③コンサルティングファーム

④一般事業会社(外資系企業を含む)

⑤海外会計事務所

それでは今回は①監査法人について、掘り下げていきましょう。

監査法人について全てを語るには、私の場合3日間くらいかかってしまうので…(笑)

今日はゆーままさんから仕事内容の概要、そして転職の際に求められる要件、この2点に着目して皆さんにお伝えしたいと思います。

(3日間…どれだけの情報量をankoさんは持っているの…)今後の連載の中で、監査法人の具体的な業務内容やプロジェクト、転職成功事例から分析した評価されるスキルにも触れていきますので、今日はざっくりと内容を把握していただければOKです!

堂々の王道!憧れの会計プロフェッショナル集団“監査法人”

USCPAを活かした転職先としてまず想起される監査法人。

実際にUSCPAを取得された方の多くが転職先として選び、そこで会計キャリアを構築しています。USCPAの知見・資格を活かしたポジションは大きく分けて二種類あり、「会計監査」「アドバイザリー」業務が代表格です。

会計監査

仕事内容

企業が株主総会の前に、決算書が適性であることを(株主や債権者等に対して)証明してもらうために実施します。

特に上場企業においては金融商品取引法に基づいて監査法人の監査を受ける義務があります。

会計監査業務ではクライアント企業の経理部とやりとりを進めながら、財務諸表等のチェックを行います。

求められる要件

転職活動における第一関門となる書類選考。まず応募の大前提としてUSCPA全科目合格(一部法人では科目合格から応募可能)が挙げられます。

それに加えて「会ってみたい」と思われるか否かという意味では、若年層とミドル層では求められるものが異なります。

若年層であれば「資格」重視、つまりUSCPA全科目合格だけで、これまでの職務経歴が会計に直結していない場合でも、書類選考は通過する傾向にあります。

しかしミドル層の転職においては、資格だけではなく、若年層が持っていない「これまでのキャリア=武器」が必要です。

具体的には、海外駐在・経理実務・特定業界に対する深い知見等が挙げられるでしょう。(もちろん他にも評価される経験はあります。後日、転職成功事例を通してご紹介いたします!)

アドバイザリー

仕事内容

企業に対して専門的な知見から、助言・指導・支援を行う業務を指します。いくつかの専門領域があり、財務会計アドバイザリー・リスクアドバイザリー(内部監査・内部統制などを含む)・M&Aアドバイザリーなどが挙げられます。

財務会計アドバイザリーの中身も多岐に渡っておりIFRS※1対応支援・業務プロセスの改善・決算の早期化等々、企業のCFO※2支援となる内容がメインです。

USCPAをお持ちの方であれば財務会計アドバイザリーとしてクライアント企業が抱える会計周りのアドバイスをすることが多いでしょう。

求められる要件

会計監査が「資格」を重視することに対して、アドバイザリーは「企業に対して助言する」という特性上、その素養があるかどうか「職務経歴」重視の傾向があります。

クライアント先の経理財務担当者、CFOと目線を合わせて話すことができる素地をお持ちかどうかを、書類選考の段階で見られているのです。

評価される経験は様々なものがありますが、一例を挙げるのであれば、経理財務・コンサルティング経験・海外駐在・システム導入経験等があります。最近ではデジタル関連の案件増加に伴い、特にシステム関連の経験者は高く評価されております。

会計の知見としてUSCPA全科目合格を切り口にご応募いただくことも可能ですが、より確度を上げるためには「USCPA+職務経歴」の方が、書類通過率も高まるでしょう。

余談ではありますが、USCPAをお持ちの方が資格を活かすことと同じくらい重要視するのが「英語を使う」「国際的な仕事をしたい」ということ。

そういった観点では海外展開している大企業をクライアントに抱えるBIG4※3監査法人を志望される方が多いかもしれません。準大手監査法人にも大きな魅力があるので、そちらについては回を改めてご紹介いたしましょう。

次回は「税理士法人」についてお話いたします。「USCPAなのに税理士法人!?」と思ってしまいますよね、目から鱗の内容は次回へ。こうご期待ください!

監査法人は規模感によってグループ分けが変わる!

監査法人と言っても、その規模感によって、業務内容や雰囲気、年収や残業時間等の労働環境(これを近年気にされる相談者の方が増えたように思いますが)は大なり小なり違いがあります。

後日、規模感ごとに監査法人の特徴を挙げていきますので、自身のライフスタイルや重要視している点に合わせて、どこを中心に志望するのか決めていくと良いかもしれません。

ここでは公認会計士・監査審査会によって定義されている監査法人の規模感をご紹介いたします。

実際に転職エージェントと話す中でも、本連載の中でも、こちらの総称を使うことが多いので、もし良ければこの機会に覚えてみるのも良いかもしれません!

参考URL:https://www.fsa.go.jp/cpaaob/shinsakensa/kouhyou/20160324.html

大手監査法人

上場会社を概ね100社以上監査し、かつ常勤の監査実施者が1,000名以上の監査法人を指しており、ここではBIG4であるEY新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ、有限責任あずさ監査法人、PwCあらた有限責任監査法人の4法人が該当いたします。公認会計士登録者の約76%が大手監査法人所属という点からも、大所帯であるのが伺えます。

準大手監査法人

大手監査法人以外で、比較的多数の上場会社を被監査会社としている監査法人を指しており、ここでは太陽有限責任監査法人、東陽監査法人、PwC京都監査法人、三優監査法人、仰星監査法人の5法人が該当いたします。

中小規模監査事務所

こちらは大手監査法人と準大手監査法人以外の監査法人と共同事務所及び個人事務所を総称します。

 


※1International Financial Reporting Standards 国際会計基準審議会(IASB)によって設定された会計基準の総称
※2最高財務責任者
※3世界的に展開する4大会計事務所、EY(Ernst & Young)、トーマツ(Deloitte Touche Tohmatsu)、KPMG、PwC(PricewaterhouseCoopers)と提携している監査法人を指す。日本では順にEY新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ、有限責任あずさ監査法人、PwCあらた有限責任監査法人。